切り貼りしたくなる喫茶店 神楽坂「フォンテーヌ」

2019-03-08

神楽坂「フォンテーヌ」をご紹介するのを忘れていました。(2018年12月入店)

用事だけサっと済ませるつもりでしたが、見てしまいました。これを見てしまったら入らないわけにはいきません。

以前から、神楽坂へ行くことがあったら入ってみたいと思っていました。

堂々の喫煙OK。うしろの定食メニューがなんともよい。

SNSでここの画像をあげている方がいて、ずっと気になっていました。その時に見た猫の写真じゃなくなってるニャ!

広くはない店内。割と混んでいたし、一人だからと思って遠慮したのですが、店のおじさんに「どうぞどうぞ」と奥の4人掛けに案内されてしまいました。恐縮です。この「好きなもの飾ったから見てよ感」がすばらしく良いな…

そのあとに若いカップルが入ってきて、私より狭い席にきゅうきゅうに座ることになってしまって申し訳なさ。でもいいよね、距離が近い方がさ。

ペロッ

ああ、このメニュー!これも何度かSNSで目にして憧れてたやつです。
いいなあ。単体でキーホルダーやスマホケースにしたい。(すぐグッズにしたがる)
ソーダの語尾は伸ばすソーダー。

疲れて小腹が減っていたのでホットドッグセットにしました。食品サンプルっぽくてかわいいね。パンがほんのりあったかい。私の叔母(高齢)が作ってくれたような雰囲気で、ちょっと泣けちゃう。

フィルムカメラで撮った写真も載せますね。↓

おじさんとしゃべりながら撮ったらブレてしまった笑

写真どんどん撮りなよ!と言ってくださったり、とてもいい方だった。調理担当の奥様は、ずっとてきぱき動いていらっしゃいました。
落ち着ける「巣」のような場所でリフレッシュ。誰か友達と来てもリラックスして話がはずみそう。

(フィルムここまで)

帰りは別の階段をのぼってみます。

ペッパーくんかと思いきやニャッニャーさんだった。

もー、なんなんだよ〜、好きなものを見せたくて仕方がないんだね!最高〜!

えーん、かわいいよお😂

世界遺産にニャン定したいお店。
私もまた好きなものを切ったり貼ったりしたくなりました。

有楽町ビルヂングで逢いましょう

2019-02-24

乗り換えのために有楽町でいったん電車を降りて「有楽町か…」と思い、乗り換えのホームには向かわず私は出口を出てしまいました。
久しぶりに有楽町ビルヂングのタイルと階段を見ようと思ったのです。

健在。いやあ、素晴らしいよね。

 

私がこのビルを知ったきっかけは、雑誌『ELLE DECO』でした。その時たまたまコモエスタ八重樫さんがモダンな建築を紹介する特集「MOD EAST」というのをやっていて、そこに有楽町ビル1Fの喫茶店「ストーン」が載っていたのです。

これが現在のストーン。(なぜかこの一枚だけフィルムで撮ったので、まぎらわしくてすみませんが2019年2月撮影です)
経年劣化により安全性が保証できなくなったとかで、剣持勇デザインによる素敵な椅子は数年前に全て別のものに変わっています。

 

ELLE DECO→AXIS→LIVING DESIGNと場所を変えながら続いた「MOD EAST」は、2004年に書籍化されました。


「BGM for MOD EAST」というCDも付いているのですが、これがまたいいんですよ。


これが当時のストーン。かっこいいですよね。見た時は本当に震えました。


石をふんだんに使った壁。床のタイルの配列にもゆらぎがあってすてき。
この店のために剣持勇がデザインしたのかと思うほど椅子がマッチしています。

東京で暮らしていた頃、ストーンには何度か行きました。実際に行くとモダンでおしゃれな人は一人も座っておらず笑、ほとんどがサラリーマン風のおじさん達でした。同伴っぽいお姉さんとおじさんの二人連れが噛み合わない会話をしていたこともあったな。

当時は看板娘ならぬ上品な看板おばあさんがせっせとお給仕していて、私はぼーっと彼女が働くのを見ながらコーヒーを飲んで、持っていた海外小説を読むでもなく開いたり閉じたりしていた記憶があります。

この空間に身を浸すのが至福だったんですよね。煙草臭くはあったけど。

 

この本、ほかの場所もとてもいいので少しご紹介。


赤坂プリンスホテル


箱根プリンスホテル


下田プリンスホテル


下田プリンスホテルのナイトスポット「サブマリン」

(なぜかプリンスホテルばかりになってしまった!笑)

 

その他、早稲田理工学部図書館、パレスサイドビル、前川國男邸、ビラビアンカ、中銀カプセルタワーなどなど良い物件ばかりです。ちなみに私の母校の旧校舎も載っています。

写真は伊藤愼一さんによるもの。どれも見事なアングルの美しい写真ばかりです。(私の偏見?ですがTOTO出版の本はお手頃なのに紙や印刷がよくてクオリティが高いと思う)

モダンなビル好き建築好きは当然所有していると思いますが、この『モッドイースト』(TOTO出版)、今見てもおすすめです。中古ですがamazonで定価よりは安く手に入るかと。

 

伊藤愼一さんが夕張を撮った写真集も良いです。欲しいな…
(このあとポチってしまった)

 

 

さて、有楽町ビルに戻りましょう。


地下のトイレのガラスブロック? これもすごいよね。

昔数回行ったベトナム料理店「サイゴン」がまだあって、なつかしかったな。味はあんまり覚えてないけど安かった記憶(なんかすいません)。


こちらは鉄道模型のお店。


万かつサンド…ごくり。


おいしい水…ごくり。

新橋とかもそうだけど、駅前のビルに漂うオッサン臭といまいち垢抜けない感じが私は大好きです。

タイルや階段やガラスブロックが前のまんまで安心しました。
いつどうなるかわからないので、今のうちにしっかりと見ておくのがいいと思います。

あの日の学生

2019-02-20

歌舞伎町にあるタイ国料理「バンタイ」にて学生時代の友人と。

年賀状のやりとりとSNSでつながってはいたけれど、直接会ったのは震災の年以来。その時は私のテンションがおかしくて「何が起こるかわからないから東京の友だちみんなに会わなきゃいけない!」って一日10人ぐらいに会ったりしてすごくバタバタしていたので、こうしてゆっくりご飯食べながら話すのは学生の時以来かも。

私はずっと独身で子供もいないけれど、彼女は年下のだんなさんと結婚して3人の男の子をもつお母さん(🐶🐶も)。住む土地も生活も責任も悩みの種類も違うから、話が合わなかったらどうしようかと思ってたけど、やっぱり同い年って不思議な近しさがあって、長年のブランクをほとんど感じなかったな。彼女の口から語られるほかの同級生のその後。みんな結婚して子供を産んでて、なんだか妙に感心してしまった。まあ私は私で、それを選ばなかったってだけなんだけどさ。だから身軽にどこへでも行けるんだよね。(お金はないけどさ)

ファッションの虜だった20歳の私たちは、思い思いに好きな服を着て学業はそこそこ、事あるごとにタバコ休憩を挟みながら気ままに生きていました。学校帰りは毎日安い店で飲食をしながら何を話したんだったか、あーでもないこーでもないと飽きもせずにしゃべり続けて。文化祭で私がへまをしたことやダサいところも知っているのがこの友人である。というか、当時からつながっているのは彼女ぐらいだなあ。私は卒業後、ファッションを思わせるもの全てから遠ざかった感じで。彼女は面倒見がいいから、たくさんの人と今もちゃんとつながっててえらいな。

 

色々あってもさ、生きてたら会えるんだなーって。生きてたら会えるんだよ、すごいね。
そのことが嬉しかった日のタイ料理です。

がんばろうね。

月島の きわめてよい町中華「健楽」

2019-02-19

あまり馴染みのない場所を歩いてみようと思い立ち、月島をぶらり。

ちょこちょこ写真を撮りながら歩き、ちょうどお昼どきになったので何か食べようと思い、辺りを見回してみれば当然のことながらもんじゃ焼き屋ばかりが目立ちます。

もんじゃって気分じゃないんだよなあ…しかも一人だしなあ…と考え込みながら脇道へそれてみたら、この中華屋「健楽」さんに辿りつきました。

「すごく…良さそうだ…」
ネット検索などせず、自分の嗅覚だけをたよりに入ってみました。

おお、ここは…なかなかの年季。媚びないプライドと長年常連客に愛されてきた歴史が染み込んでいる。いいなあ、好きな感じです。カウンター7席ほど、小上がり4人×2卓。カウンターに先客が3名ほどいます。私はカウンターの一番奥に座りました。おばちゃんがカメラの置き所を心配してくれる。「落ちて壊れたら大変だからね」。(安物の中古ですけど、ありがとう)

水ではなく冷たい烏龍茶が出てきました。ん、おいしい烏龍茶だな。煮出したやつかな。ずんぐりしたペットボトルに入ったものも一緒に置かれます。これを注いで飲んでいいということね。
さて。何を食べようか。まったく考えないで入ってしまいました。
しかも、この店独特の雰囲気に気圧され、メニューの情報がぜんぜん頭に入ってきません。うう、どうしよう。おばちゃんが来てしまいました「何にします?」これ以上待たせても決められそうにありません。

「えーと、あの、おすすめは…」
お、お、おすすめを聞いたーー!!!
私はこういうところでおすすめなんか絶対に聞かないのですが、自分がいま何の腹なのかも判然とせず、予備知識もなくふらりと入ってしまったこの店の得意分野が何なのかも全くわからないのです。

「ん〜、おすすめって言ってもねぇ、麺なのか炒飯なのか定食なのか…どういう気分?」
「めっ、麺がいいですね…」
「麺もねぇ、醤油もあるし塩もあるしトロっとした餡のもあるし焼きそばも…どんなのが食べたいの?」
「(うぐぐ、コレがおすすめですって言わないあたり、何でもうまいのかもしれん…)じゃあ醤油味の…(ふつうのラーメンだと芸がないかな安すぎるしうーん)、もやしそばで!」
「もやしそばね!」

エエエエエーー! もやしそば!?!?
なんで???ふだんどっか行ってもぜったい頼まないやつじゃん!!!
醤油味ったって餡だぞ!!早食いの私にアツアツの餡は大敵だぞ!!
どうした私!!!

自分でもなぜもやしそばを頼んだのかわからないまま、店内を見回しながらドキドキして待ちます。

「画像やレビューを食べログ等に載せないでください」的な注意書きが。
おおぅ、そういう感じね。写真もダメかもなあ。

しーんとした中にテレビのニュース音声とジャー、カツカツ!という鍋振りの音。
ほどなくして、来ました、もやしそば。

「 ✨(は、はわ〜〜!!)✨」
宝石箱をあけた人みたいな顔をしてしまいました。
つやっつやのキラッキラです。
もやしそばと言えども、白菜やニラ、タケノコ、人参、豚肉など具沢山でおいしそう〜。
まずはちょいとスープをいただく。醤油味と書いてあるけど色は薄めです。
「(あはは、うめぇや)」スープは鶏ガラかな。
そして麺! 中細ストレート麺。うおぉ、この麺!!麺がよぉ!!
うめぇんだよぉ!!
自家製麺って書いてある。レベル高ぇ。
野菜もシャッキシャキ。
「(正解じゃん正解じゃん大正解じゃん)」と頭の中で反復しながら食べました。

最初の一口で「うめぇ!」ってなったラーメンは最後の方でダレてくることも多いんですけど、無化調系でもないはずなのに、ここのは全く飽きませんでした。ずーっとまろやかでうまい。とは言え、あんまりがっついて最後までスープ飲み干すのもレディとしてどうなの?と思ったのでうっすら少しだけ残しました笑

おいしかった〜。
次々と入ってくる客。ほかのお客さんのレバニラもチラ見したけどおいしそうだったな。

なんかもう雰囲気的に「写真撮らせてもらっていいですか」って聞けませんでした。聞けませんでした…聞けませんでした!たぶん聞いたら撮らせてくれたとは思うんですけどね。私にもそういう時があるのです。

またすぐ行きたい!レバニラや炒飯も気になるところ。今度は写真もお願いしてみよう。

 

※私はまったく気がつかなかったのですが、店の前に亀がいるようです。笑
確かに、中に何か居そうなプラスチックのケースがありますね🐢

ある日のコープオリンピア

2019-02-02

言わずと知れた日本の高級マンションの草分け、コープオリンピアです。億ション第1号でもある。

 やけにスッキリ見えるなあと思ったら2014年に歩道橋が撤去されたんですね。
昔、ここの南国酒家でごはん食べたことあります。(おいしかった)


これまでもこの先も私には縁のないマンションだと思うけれど、せめて一日だけでもこの一室で過ごしてみたいものです。

写真家の伏見行介さんの『コープオリンピア317号室』という素敵なエッセイを見つけたのでリンクしておきます。原宿のカフェでリチャード・ブローティガンと知り合った時のことなど興味深い出来事が綴られていますので、ぜひ。

 

 

見た目は焼き蕎麦!? 中毒性がある江西の焼きビーフン

2019-01-30

昨年食べた焼きビーフンをご紹介。

代々木公園のチャイナフェスティバルにて。

犬とおじいさん…ハァハァ
このお店で焼きビーフンを買ってみました。(安くなっていたのです)


簡易休憩所みたいなテントの長テーブルで食べます。
太い!お蕎麦みたいな色!これほんとにビーフン??

食感はプリン!と弾力があってパスタっぽさがある。味付けは濃いめのお醤油味で油もよく回っている。野菜たっぷり、唐辛子もたっぷり。(このピリ辛がうまい!)なんだろう、中毒性があるぞ。これに合う飲み物はぜっっっっったいにビールだった!!私はなぜ烏龍茶なんか飲んでしまったのだろうか!!

すみません、取り乱しました。えー、これは中国・江西省(こうせいしょう)の江西料理の焼きビーフンだそうです。私が今まで食べていたビーフンとは全く別物でしたが(ふだんよく目にする新竹ビーフンは台湾のもの)、これはこれでアリ!

麺はたぶんコレ。

機会があったらまた食べたいなあ。今度こそ、暑い時期に冷え冷えのビールで流し込むのだ!

私は見た! 「AUDIO ARCHITECTURE:音のアーキテクチャ展」@ 21_21 DESIGN SIGHT

2019-01-17

それは2018年9月のことでした。


この木なんの木 木木木木木〜

東京ミッドタウン・ガーデン内にある21_21 DESIGN SIGHTで行われていた「AUDIO ARCHITECTURE:音のアーキテクチャ展」へ。

 

以下、開催概要より引用

21_21 DESIGN SIGHTでは2018年6月29日より、企画展「AUDIO ARCHITECTURE:音のアーキテクチャ展」を開催します。展覧会ディレクターには、独自の表現により、ウェブ、インターフェース、映像の分野で高く評価されている中村勇吾を迎えます。

私たちが普段なにげなく親しんでいる音楽は、音色や音域、音量、リズムといった様々な要素によって緻密にデザインされた構造物(アーキテクチャ)であると言えます。しかし、日常の中でその成り立ちや構造について特別に意識する機会は少ないのではないでしょうか。

本展では、ミュージシャンの小山田圭吾(Cornelius)が展覧会のために書き下ろした新曲『AUDIO ARCHITECTURE』を、気鋭の作家たちがそれぞれの視点から解釈し、映像作品を制作します。参加作家は、映像、アニメーション、ダンス、グラフィック、広告、イラストレーション、プログラミング、メディアデザインなどの領域を横断しながら、多彩な感性をもって新しい表現に取り組む9組です。展覧会のグラフィックデザインは、北山雅和(Help!)が手掛けました。

Wonderwall 片山正通が会場構成を担当したダイナミックな空間に、ひとつの楽曲と複数の映像作品を繰り返し再生することで、「音楽建築空間」の構築を試みます。
音楽、映像、空間が一体となった会場で、音楽への新鮮な視点を発見してください。

かつてFlipper’s Guitarのファンであり、その後のソロではCorneliusを推していた小山田派(?)の私としては行かないわけにいきません。(まあ「派」っていうか、小山田圭吾さんの作る作品が好きなだけなんですけどね)


使用曲はこちらのページで聴けます。

 

勅使河原一雅「オンガクミミズ」

曲は延々ループ。それぞれの作家の映像作品が壁と床に映し出され、ここを通ることもできるし、壁際に設置された階段に座って鑑賞することもできます。





私はこの、UCNVさんによる「Another Analogy」がとても好きだと思いました。

 





水尻自子さんの「airflow」。ゆっくりなめらかな動きと思わぬ展開、頭の中が「ふにゅん」としてきて、なんだか心地がいい。色味も好き。調べたら、水尻さんは青森県十和田市ご出身とのこと。

 

大西景太「Cocktail Party in the AUDIO ARCHITECTURE」



ぱっと明るくなったので自分の手を入れ込んでみました。(イミフ)



いいですねえ。

 


折笠 良「エンドゲーム・スタディ」

 


ユーフラテス(石川将也)+ 阿部 舜「Layers Act」の仕組みを試せるコーナーがありました。黒字に白い線の模様が入ったフィルムを2枚重ねて動かすと、にゅーんとモアレみたいになるやつです。動画じゃないので伝わりづらくてすみません。仕組みとしては単純なんだけどね。こういうの5〜6歳当時の私に渡したら、ずーっと一人で遊んでたと思う。(これより小さいけれど、これのセットがショップで売られていたことを後で知りました…)

 

ギャラリー3へ移動。

「ヒロシマ・アピールズ展」を見学しました。
平和を呼びかけるキャンペーン。毎年一名のグラフィックデザイナー一がポスターを制作。
歴代のポスターがずらり。美術の教科書やデザイン本で見たことのあるものばかり。


脚が生えます


2018年は服部一成さんでした。

 

※展覧会は終了しております。

 

私は見た! 西本良太「ACTUAL SIZE」

2018-12-31

8月某日。
西本良太さんの個展「ACTUAL SIZE」へ。


DMがすてき。

素材は、ホームセンターでロールで売られているトリカルネットというプラスチックのネットだそう。形は寸分たがわぬカラーコーンやコンクリートブロックであるはずなのに、素材が違うだけで何なんでしょうね、この美しさ、面白さは。


差し入れでもらったというお菓子もこの通り。

次はどんな素材でどんなものを制作されるのか、とても楽しみです。

 

西本良太「ACTUAL SIZE」
2018.8.24〜9.15
渋谷(PLACE) by method