神田「エース」で朝食を

2018-09-28

神田の珈琲専門店エースでございます。

テレビや雑誌等で存在はよく知っているつもりでしたが来店は初めて。
思っていたよりこぢんまりとしている!のが第一印象。
予備知識なしだったとしても「いい店」だとわかる店構え。


モーニングサービスAセット(なんとワンコイン¥500!)にしました。午前中はブレンドコーヒーのおかわり自由だって。いいね。
朝の9時半ごろでしたが、ほぼ満席といっていいくらい混んでいたので店内撮影は遠慮したのですが、すごく愛せる店内でした。隣のお客さんとも距離が近めなんですけど、なんかほっと落ち着ける。置いてあるメニューとか店内に掲示してある手書きの案内もどれも素晴らしく良いのです。一貫した独自の美学を感じて、待っている間じっくり見てしまいました。


これが元祖のりトーストだ!

いいですねえ、いいですねえ。周りの人たちもほとんどのりトーストを食べていました。
8枚切りの食パン4枚にぐるりとお醤油をまわしかけ、焼き海苔をはさんでトーストし、バターをぬりぬり、重ねてカット。4枚重なった状態でいただきます。

「おいしい笑」

食べたことのある人ならわかると思うんですけど、ちょっとフフって笑っちゃう感じなんですよ! しょっぱさがオツなんですよね。思い出しただけでよだれが出てくるなあ。不思議なのが、これが何故コーヒーに合うの!?ということ。お醤油ってカラメルっぽくもあるしバターがつなぎの役割を果たしているからかな。しかし海苔は海のものですよ。普通で考えたらあんまり合わなそうなのに、合う。きっと絶妙なバランスで成り立っているトーストなのだと思います。家で作ってもこうはいかないんだろうな。


ローストビーフサンドも気になるし、世界のコーヒーにも惹かれます。来るたびに楽しみが広がりそうなお店だなあ。


ドーナツもおいしいらしいので次回はティータイムに行こう!

 

神田「珈琲専門店 エース」
月〜金 7:00〜18:00
土 7:00〜14:00
日祝休

 

 

 

アチチ・アチ! 盛岡『モンタン』の「ア・ラ・モンタン」

2018-09-21

お盆休み中の暑い日、自分が出品しているZINEのイベントのため盛岡へ。

同じく出品者である二人の友人とともに、昼食をとろうとお気に入りの焼肉店へ行ってみたものの、大混雑。ダメだコリャ…昼食難民となった我々は暑い中ふらふらと盛岡の街をさまよいます。

桜山神社付近を歩いていると、以前からあるのは知っていながら特に気に留めたこともなかった「モンタン」の文字がやけにチラチラ。なんとなくコーヒーとケーキぐらいしかないお店だろうと思い込んでいたけれど、表の看板には「盛岡名物 当店オリジナル トマトスープのスパゲッティ 元祖ア・ラ・モンタン」と書かれてある。盛岡名物ねぇ。中の様子はいまいち見えない。どうする、アイフル。

入るしかない…私たちは暑さと空腹にやられていました。緑地に白の「モンタン」の四文字がひらひらと手招きして見えたのです。

「いらっしゃいませ、お二階へどうぞ」。お二階があるのだ。あがってみると意外と広い。そして何組かお客さんがいる。閑古鳥は鳴いていませんでした。

サッと見回して、特にこだわりのなさそうな「なつかし系の喫茶店だな」と感じました。80年代で時が止まっているようです。あだち充の漫画の中に主人公行きつけの店として出てきそう。マスターはティアドロップ型のデカ眼鏡に口ひげ、デニムのエプロン。ちょっとドジでつり銭間違えちゃうタイプだけど憎めないキャラ。主人公があらたまって悩みを相談するとわりと的確なアドバイスをくれる。(※妄想です)

さて。メニューを見ながらひとしきり悩んだあと、決めました。挨拶代わりに、やはり名物をいただかなくては!

「ア・ラ・モンタンと…アイスコーヒー」と言おうとしたら、店のおじさんは「アイスコーヒー」の部分をかき消すように「あとで小さいウンタラカンタラ…(早口)」と言い残して立ち去ってしまいました。

「食後に小さい飲み物がサービスでつくんじゃないの?」と友人談。そうだといいんだけど。

 

ふざけて写真などを撮っていたら、料理が運ばれてきました。

これが盛岡名物「ア・ラ・モンタン」だ!
涼しげなガラスの器。暑い日にぴったりですねえ。
料理写真を見て「ガラスの器だから冷製かもしれない」と安易に考えた私は、事前にあまり詳しく聞き込むこともなく、まあどっちでもええわとオーダーしてみたのです。

結果、アッツアツのやつが来ました🔥(冷たいのもあるようですが、基本はこれ。)

麺は、早くしないとのびちゃうよ!という柔らか太麺。アルデンテという概念は存在しません。おぅおぅ、これこれ、なつかし系喫茶店の感じが出てる〜!アチチッ。 麺が香ばしいのは茹でただけじゃなく炒めてあるからかな。うぉ熱っ。にんにくの香りが効いた、じわりと辛味のあるトマトスープにたっぷりチーズ。いい味してる〜。はふはふ。

汗をぬぐいながら食べすすめていくうちに「なるほどこれは名物だ! ふーふー」という気がしてくるから不思議だ。どんどんクセになっていく味なのです。

っていうか、ずっと熱いのですが!!全っ然冷めない!!

ああ、ア・ラ・モンタン、ア・ラ・モンタン。あなたは一体なんなのでしょう。元気が出ます、不思議です。なんだかよくわかんないけど、うまい。なんだなんだと思いながら結局ほとんどスープを飲んでしまいました。きっと盛岡っ子に昔から愛されてきた味なんだろうなあ。時々むしょーに食べたくなりそうだもん。

 

ふう…

「小さいウンタラカンタラ」が来ました!
お冷のグラスにアイスコーヒーが入ってます!笑
実際このぐらいでちょうどいいんだよね。うれしいサービス。
(※食べ終わったあたりで若い店員さんが「サービスでコーヒーがつきます。ホットとアイスどちらがよろしいですか?」と聞きに来ます。コーヒー以外はなさそうです)

なんだかんだでモンタンを満喫してしまいました。

窓からの眺めもいいし、昼の混雑時をずらしてゆっくりするのに大変よさそうなお店だと思います。

 

モンタン
10:00~21:00
日休(例外あり。桜満開の時期は日曜も営業)

 

 

私は見た! ゴードン・マッタ=クラーク展

2018-09-13

行ったのは2ヶ月以上前のことになりますが、ゴードン・マッタ=クラーク展でございます。

場所は竹橋の東京国立近代美術館。東!近!美!

暑い中、2万歩歩き回った末の鑑賞となってしまい、頭クラクラ、目しょぼしょぼ、足腰ガッタガタの状態でした。

さて、私がゴードン・マッタ=クラークについて事前に知っていたことといえば、「ロベルト・マッタっていうシュルレアリスムの画家いるじゃん、絵は正直好きじゃないけど、その人の息子で、家をまっぷたつにした人だよね?」ということだけ。

ただ単に、なにやら評判がいいらしい、ということで足を運んだわけです。
35歳で夭折し、作家活動はたったの10年ということはフライヤーで知りました。

そんな素人が、ものすごくテキトーに見たまんま書いていきたいと思います。

建物の床がくりぬかれております。
最初、え?なになに?どうなってるの?エッシャー?と思いました。


早稲田の建築学科の学生さんたちがダンボールで再現したもの。
あっ、ちなみにこの展覧会、写真撮影OKなので!(一部をのぞく)


窓はいいですよね。窓、わたしも好きです。


あれっ、ドローイング良くないですか?? えっ、絵も描けるの? ってそりゃ画家の息子だもんね。 ふつうにいいなと思います。


「ツリーダンス」。木の上で暮らそうとしたけど、許可が下りなくて一日限定になったという。その映像。


映像が多いので、時間に余裕のある時にゆっくり観るのがよさそうです。金土は夜9時まで。
(っていうか9月17日で終わりなんですけどね)

これこれ、唯一知ってたやつ。スプリッティング。(1974年)

私がかつて「なんだかわからないが、面白そうだ…写真を見ているだけでインスピレーションがわいてくる…」と背伸びして買った『岩波 世界の美術 コンセプチュアル・アート』に載っていました。(P258です。今確かめました)

資本主義という「社会的」構築物は、「受動的で孤立した消費者——ほとんど囚われの身の観客——の容れ物として、郊外型の箱や都市型の箱をばらまく産業機構である」

『岩波 世界の美術 コンセプチュアル・アート』P258

なるほど、それをまっぷたつにしたわけですね。


記録写真もふつうにいいなあと思いますね。


ぶった切られた家の角が展示されております。

NYのいい感じに朽ちた壁を撮影し、独特な色で新聞用紙にプリントしたもの。当時それを人に配っていたそうで、この展覧会でも一人一枚持ち帰れるよう用意されています。(おそらく数に限りがあり、現在も配布されているかは不明です)

港の廃倉庫に穴をあけた「日の終わり」


光が差し込んで、なんともいえず美しい。
(しかし無断だったため、NY市から損壊に対する賠償請求が検討されたそう)
行為自体は「破壊」なのかもしれないけど、そこに美が生まれるっていうのが面白い。


地下鉄のグラフィティをモノクロで撮り、プリントに着色したもの。この感覚。自分もやってる気になりたかったんだろうなあ。私が生まれる前後10年間だけ活動した若者がこんなことやってたっていうのがなにしろ驚きだよ。


会場設営も工夫されていたのではないでしょうか。もっと無骨にガチャガチャしててもいい気もするけど。このカーテンいいよね。


彼が仲間たちとやっていた食堂「FOOD」のプロジェクトは、記録写真や宣伝美術も含め、大変興味深かったですねえ。

なんかねー、疲れてるしなぁ、よく知らないしなぁ、まあすごい人なんだろうなぁ、でも昔の人だしなぁ、死んじゃってるしなぁ…みたいな気持ちがあったんです、どうしても最初は。

頑張って知ろう知ろう、もっともらしく鑑賞しよう、みたいな力も入っていて、眉間にシワ寄せながらテキストめっちゃ読んだりして。でもさぁ、単純に見ても「え、たった10年でこれだけのことをこの感じでやっちゃったの?」という驚きはあるし、悪ふざけのような笑える作品もある。記録写真や映像作品が多いのも、彼の「動き」そのものが作品であるがゆえのこと。

 

で、私は思いました。「かつてこんなすごい人がいた」ではなく、

今、この時代に、こんなことやってる人がいたら!?

って思ったら、ヤバイヤバイヤバイ!!!!ってなりませんか。
もし今こんなことを本気でやってる人が日本にいたらすんごい大騒ぎだと思うんです。保守的な日本人から見れば色々問題ありそうだけど、私から見れば最高にカッコイイし超おもしろいし絶対「FOOD」行くし、どっかで「スプリッティングやるよ」ってなったら絶対見に行くし、なにかしらのグッズ買ったり、雑誌で特集されれば買って読むだろうし、彼が「この曲いいよ」「この本面白かったよ」って言ってたら当然チェックすると思うんです。とにかく彼のやることなすことに触れていたいと思うだろうなって。

今この時代の東京でこの展覧会が開催されていることにすんごい意味がある気がしてくる。それをこんな田舎のOLがたまたま観れたってことがマジヤベェ案件だなと思います。そして、この展覧会を見た人たちが、ゴードン・マッタ=クラーク的な目線で街や物事を見たり、何か面白そうなことを考えたら「ちょっとやってみるか」って行動すれば、きっと世の中が面白くなっていくだろうなって。少しくらいは希望を持ちたいから、そう書いておくよ。

未見の方は是非!!!!!

 

ゴードン・マッタ=クラーク展

6月19日(火)~ 9月17日(月祝)
10:00-17:00(金土は10:00-21:00)

白い犬

2018-09-10

何年分もの写真を整理しているのだけど、犬の写真は一枚も捨てられない。この表情を見て号泣してしまった。おどけた表情ばかり撮っていたつもりだったけど、こんなのもあったんだね。首のあたりのモコモコしたところを触って、においを嗅ぎたい。「くさっ!」って言いながら、指に残ったにおいをずっと嗅いでいたい。

会いたいよ。