写真展『セーブポイント』後記と近況

2019-12-31

大変ごぶさたしておりました。改めまして、ヌーヨークことNumariです。(誰もヌーヨークさんって呼ばないし呼ばせてもいないので、もはや「ヌーヨークタイムズ」ではなく「ぬまちゃんタイムズ」だよなあと自覚はしています)

2019年6月1日〜30日の一ヶ月間、「新宿ベルク」の壁をお借りして、現代写真研究所の迫川ゼミで一年間学んだ成果として『セーブポイント』という写真展をやらせていただきました。

足をお運びいただき、また偶然ごらんくださった方々、ほんとうにありがとうございました。

写真展はどうにかこうにかご好評をいただきまして…というか、なんたって場所があの新宿の名店・ベルクですよ! とにかく人気店で集客力がすごいので、朝7時から夜11時まで、そりゃあもう大勢の人たちが私の写真が貼られた壁の前で入れ替わり立ち替わりおいしいビールを飲んだりホットドッグにかぶりついたりポークアスピックに舌鼓をうったり、楽しく飲んだり食べたりしゃべったり気持ちを整えたりぼーっとしたりするわけです。その中でどれほどの人が写真に気づいたかはわかりません。多くの人が「あるな」ぐらいの認識だったと思います。だって主役はベルクのうまいものたちですからね。写真は黙って壁にへばりついているしかありません。

にもかかわらず、関東に住む親戚、友人知人や元同僚たちが駆けつけてくれ、中には何度も足を運んでくださった方がいたようですし、お会いしたことのないSNSのフォロワーさんも見ましたよーと連絡くださったりして。うれしいね。ベルクに来たことなかった人たちの誘導に一役買えたような気もして、それもよかったね。さらに、ほぼ毎日見るともなく見ていたであろうベルクのスタッフさんや常連の方々に見守っていただけた感じもうれしかったです。行けなかったよ〜という人も、情報を拡散してくれたり気にしてくれたり、気持ちは伝わってますのでね!

みなさん、ほんとう〜に、ありがとうございました〜!!

 

少しですが展示の様子を

2月の超寒い日の夜、つがる市木造を歩いて撮った写真群です。
セーブポイントみがあります。
蒸し暑い6月の東京に本気の「ひんやり」を演出できたかなあと思います。


ベルクにはウルトラマンがいるよ


よく食べたベーコンドッグ。何度食べても「ん〜〜うまい!」とつい声が出ちゃう。バランスが最高。コーヒーもしっかりおいしい。


写真に写しきれていませんが喫煙カウンターにもずらずらずら〜と並べました。
同じゼミのほかの生徒さんたちも前月、前々月に展示をしていて、その写真も何点か据え置きで展示されていたり、私と同会期でほかのゼミ生の写真も展示されていたので、この時のベルクはまさに写真カフェといった様相でした。


隠しアイテム的にスピーカーの底や足元、こんな隙間にも写真を貼りました。

 

展示写真の一部をご紹介。

 

これがキービジュアルになった一枚。

夜の五所川原市某所です。

 

ニャア〜


これは夜の上野公園でたまたま見かけた猫。私はいつも全くセッティングをせず完全なる偶然に頼って撮影しているので、これも特別なライティングを施したわけではなく、しかも手持ちです。のっそりおっとりとした猫で助かりました。生きている猫なのに剥製か作り物のようにも見え、不思議な感じになっているかと思います。この猫は、長いこと私の自宅PCのデスクトップにも鎮座していました。

 

気に入ったので表紙にしました。

田舎のおばちゃん特有のサービス精神というかなんというか、お土産用に無料配布のZINEを用意しようなんて考えちゃったもんだからさあ大変。しなくてもいい苦労をたくさんしました。まー、今思えばそれも楽しかったです。

(印刷された一枚の紙を手で折って切って綴じているのですが、会期終盤、さすがにめんどくさくなって放置したままの紙がいくらか残っているので、もし欲しい方がいらっしゃいましたらメールをください。送料はかかりますが)


これが「ポークアスピック」だ!ベルクに来たら絶対にこれを食べるべし!
(これは大人数用の盛り方です)

 

感想ボックスにもたくさんのメッセージをありがとうございました!

(雑な写真、雑なメモ帳で恥ずかしいですが)
これいいでしょ、NO WARボックス!少し前にどこかの街のガード下に貼られていたビラを写真に撮って、それを箱に貼り付けたものなのです。しかも時間がなくて、展示の設営日の前の晩にコンビニで出力して新宿の安宿で作りました。笑

個別にお返事できていなくて申し訳ないのですが、一通一通うれしく読ませていただきました。ありがとうございます!

いわゆる芳名帳ではなく投票箱のようなボックスなので、中に紙くずとかカミソリが入っていたりとか「しね」とか「うんこ」とか悪いことが書かれていたらどうしようと不安もありましたが笑、うれしい感想ばかりで、みんなええ人や…となぜか関西弁になりました。おおきに。

 

でも、でもね!

これは展示した人あるあるだと思うのですが、

やりたいと思っていたことの6割ぐらいしかできませんでした〜。

あれもこれももっともっとやりたかったし、本当はこうしたかったのにな〜、こうすればよかったな〜という反省もたくさんあります。そういうものなんだな、ってこともわかってよかったです。

 

ゼミも修了、展示も終了、家のリフォームでバタバタ…を経てホッとしたら腑抜けのようになってしまい、さらになんだか体調もイマイチな感じで

……

 

えーと、この文章もここまで下書きしたの9月11日なんです実は。時は過ぎ、もう11月。

ゼミや展示が終わっても続けなければならない、っていうのはよくわかってるんだけど、写真はめちゃめちゃ撮ってるし撮り続けていくんだけど、なんだろうな、一回区切られてしまったっていうか、失われてしまったっていうか、なんかまだ言葉にもちゃんとできない感じなんですけど、「ぽっかり」しちゃったんですよねえ、ぽっかり。

あと最近気づいたんですけど、私は過去の楽しい思い出を振り返るのがむずかしいようで、当時の写真とかなんか見れないんですよね。すごく楽しかったのに。まあさっさとやらずに時間が経ってしまったのも一因としてあるとは思うけど。

とかなんとか言ってても一向進まないので、またやっていきます。ぼちぼち。

 

 

ついしん!!

先日、むつ市のパワースポット『とびない旅館』にて恒例の「いもすりもちまつり」が行われ、写真を展示させていただきました。うれしいことに、飛内さんのご厚意でしばらく展示させてもらえることになったので、これから下北半島への旅行を検討中で普通じゃない体験をしたい方にはぜひ、むつ市にある『とびない旅館』へご宿泊いただき、飛内さんのマシンガントークを浴び、コレクションに目を白黒させ、妖怪ハウスに恐れおののき、12号室に設置した「セーブポイント」で私の暗い写真を見てくつろいでもらえたらと思います。(宿へ行く際は必ず電話予約してくださいね⭐︎)

この一筋縄ではいかないけれど、行くとなぜだかパワーがもらえる宿のようすや攻略法は、こちらのブログを参考にしてください。

 

●青森大好き「ねこぜ」さんの超人気ブログより
恐山に次ぐ、青森県むつ市のディープスポット「とびない旅館」攻略まとめ

●私が初めて「とびない旅館」に泊まった時のことを変なテンションで書いたブログ
女子3人でシモキタの「とびない旅館」に泊まってきましたぁ〜! #1
女子3人でシモキタの「とびない旅館」に泊まってきましたぁ〜! #2

 

……と、ここまでを読み返しているのが現在12月31日午前3時の私です。
実に半年間もこの場所を放置してしまっていました。ようやく重い腰を上げたのが大晦日ということになります。今年の心残りは今年のうちに。いや、まだまだ心残りがたっぷりあるぞ。しかしそれらはこの正月休みにやっつけさせていただこう。

ついでに私事なのですが、母が病気になり現在も入院中でして、私は仕事をしながら毎日病院に行き、家のこと全般をやっております。ようやく人並みに「生活」の大変さを思い知ることとなりました。仕事して子育てして家事して親の世話もしている人ハンパねぇな、超人だな!と思います。それでさらに自分の趣味も続け、ものづくりして何か売ったりしている主婦さんとかマジどうなってるんだ!?と思います。表彰されるべきです。

母の不在によって母の存在が浮かび上がるというか、この家やこの家の人間関係はどれもこれも母によって成り立っていたんだなあ、すっかり依存していたなあと思い至りました。不運とも思える一人の病が、私を含め沢山の人たちを動かし、よい変化をもたらしていて、この病気がギフトにさえ思える。そんなことを言ったら本人は「えぇ〜…病気なんかになりたくなかった〜」ってブーブー言うんだろうけど。

以前のように自由気ままというわけにはいかないかもしれないけど、慣れてしまえば何とかなるもんで、「こういうものだ」と思えています。自分でも「あれ、私けっこう出来んじゃん」とちょっとした自信にもなっていて。

頻度は減りましたが相変わらず写真は撮っているし、逆に今までほとんど読めていなかった本を1日一冊ペースで読んだりしていて(入院中の母にすすめるためでもある)悪くない状況です。正直、少し前は頭がいっぱいでそれどころじゃなかったんですけどね。

母は、自分のことは二の次で、とにかく人のために頑張っちゃう人で、多分それしか出来ないし、それこそが喜びだし、自分のために何かできない人なんだろうと思うのです。でも本当にそれでいいの?母の人生はこれでいいのだろうか?とふと思うことが以前からありました。

母が入院したことで、いままでボサーっとしていた私がすっくと立ち上がり(これには自分でも驚いた)できることを自主的にどんどんしている中、「自分以外のために生きることは大変そうでいてけっこう楽なことでもあるな」と気づいたんです。これをやっていれば感謝されることはあっても恨まれることはないし、役に立っているという充実感もある。でも…

 

自分のこともやらなきゃダメだなあ

 

こういう私の現状を知りつつも、「自分のこともやめないでね」とせっついてくれた友人に最初は抵抗してしまったけれど、確かにそうだ、誰かのために自分を犠牲にして酔ってしまったらおしまいだ、と気づきました。自分の人生も進めなくちゃ。

母はずっと誰かのために生きてきてしまったわけで、もう今さら「自分の人生を歩んでね」なんて私には言えないです。「世のため人のため」が「自分のため」になってしまった。それはもう立派にその人の人生だよね。病気をきっかけにして何か新しいことを始めよう!という気持ちもないみたいだし、なにしろちょうど一年前につぶやいた抱負が「何事もなく平穏無事でありますように」だったような人なので。

本人的には、何事もなくなかった!ちっとも平穏無事じゃない!という気持ちだろうけど、私は初めて母という人を身近に感じているし、思いのほか中身が無いなあとか本当に自分を捨ててきたんだなあとか同じ昔話何回すんねんとか痛みや不具合につくづく弱いなあとか笑、母の足りなさを人間らしく思えるし、逆に今まで頑張ってきたことについては素直にすごいなあと思えるし。この親にしてこの子あり、私もかなり足りない人間だなあと思い知るに至ったり。

 

 

そんなわけで、教訓。
人間ドック行こう!自分の人生を進めよう!です。

あ、これそのまま来年の目標にしよう。

 

ここまでお読みくださった方、お疲れさまでした、ありがとうございます。お茶どうぞ🍵🍡
みなさんにとって来年も平穏無事な一年でありますように。

それではよいお年をお迎えください〜!