星のヌーヨーク中欧へ行く(4)ドナウ川は青くない、そして私はViViモデル

2018-07-12

私は本当に中欧へ行ったのだろうか…?

と、ほぼ記憶を喪失しかけた状態ではありますが、中欧旅行記、張り切って書いていきたいと思いますよー。

 

バスの外は雨。

雨の日でもカラフルな小物を持ってルンルンできたらいいよね。

パンノンハルマ修道院を見学。
 


小高い丘の上にあって眺めは最高!
(のはずでしたが、濃い霧でほとんど下界を見下ろすことができず…)
ここは男子だけの修道院で、敷地内にはハンガリーの秀才たちがが集まる全寮制のギムナジウムがあります。と聞くと、胸をときめかせる女子が少なからずいるのではないでしょうか。


美しいバロック様式の礼拝堂。


現役の図書館。もちろん新しめの本は別の場所にちゃんとあるそうです。

 聖イシュトヴァーン


のシューズ。


天井付近の本の並びがけっこう乱れていて、「手が届かない場所は雑になりますよね」と妙な親近感をおぼえたり。

本当に申し訳ないのですが、現地ガイドの話を全く覚えておりません!というか、写真を撮るのに熱中してガイドのそばを離れることが多いので、どこ行ってもほとんど解説聞けてません。

まあ私のブログに知識や教養を期待している人はいないとは思いますので詳細が気になる方は各自お調べになってくださいませ。あ、ここね、日本語対応の音声ガイドもあって、それが結構いいらしいので、気になる方はむしろ現地に飛んじゃってくださ〜い。

どうもすいやせん!

ラベンダーの石鹸などが売られた小さなショップ、ギャラリースペースも併設されていました。

父が「おい、なんだか面白いものがあるぞ」と手招きするので行ってみると、この作品がありました。

私がコラージュ作品を作っていることを認識しているよアピールなのでしょうか、終始へらへらしながら「ははは、面白ぇな」とか言っていて逆に気まずかったです。

これはハンガリーのアーティストMarcell Esterházy氏の作品。コラージュだけでなく色々な作品を作られているようです。


こちらは写真家SZÁSZ Lillaさんの作品。
きっと意味があるんだろうけど解説がなくて(あっても読めない)よくわからず。


Imre Mariannさんの作品。糸を使った作品が多いようですね。

それぞれのサイトを見てみると、ハンガリーでは有名な中堅どころのアーティストという感じでしょうか。硬派でしっかり活動されている印象で、ほかの作品も興味深いです。関心のある方はぜひリンク先へ飛んでみてください。

お昼です。
雨が降っていたので後でいいやと思ったら外観を撮りそびれてしまいました。


シャバシャバなグヤーシュ。


中に細いパスタが入っているとのことでしたが、これ、そうめんじゃん!
食べてみてもまるでそうめん。「そうめんだ!そうめんだ!」とみんなで笑いながら食べました。味はおいしかったです。


甘酢のきゅうりと玉ねぎ、トマト。これはそのものの味。


パプリカパウダーで鶏肉をじっくり煮込んだパプリカチキンにライス?と思いきや得体の知れないものが添えられています。


ほろほろに柔らかい鶏肉と、得体の知れないもの。

これはハンガリーで「ガルシュカ」「ノケドリ」と呼ばれる手作りパスタです。小さな穴がたくさん開いた器具にねばねばとろとろのパスタ生地を押し当て、ポトポトと湯に落として茹でる。
ニョッキとかすいとんとかをイメージしてみたんですけど、どうも違う。食べ慣れないのと、脳が一瞬「米だ!!」と認識して喜んでしまったせいか、いまいち乗れない味でした。(半分ほど残してしまった)(私はふだん出された食べ物を残さない方なのですが、ハンガリー料理は量が多いようで毎回何かしら残してしまいました)

 

「デザートはパンケーキだそうですよ〜♡」と添乗員が言っていたので、同じテーブルの母娘さんも楽しみにしていたようでしたが運ばれてきたのはこれでした。

「思てたんとちゃう!」と言いたげにみるみる顔が曇っていく母娘さん。

日本の、あるいはハワイのふわふわコテコテパンケーキを想像してしまったらそりゃそうなりますよね。バブル時代と江戸時代ぐらい違いますよね。中に酸味の強いアプリコットソース?が入っているクレープという感じで、さっぱり食べられて私はおいしいと思いました。

結局そうめん(違うけど)入りのグヤーシュが一番おいしかったね、という感想で一致。


窓から見えたかわいい家。(の柵)


ほんとうにどの家も窓辺に花をかわいく飾ってる。


家の感じもかわいいなあ。


と、そこへ猫さま登場。


文化の違いは多々あれど、どこへ行っても猫は猫なのであります。(かわいい)

 

いったんホテルに戻る途中、ドライブインでトイレ休憩がありました。
広めのコンビニって感じ。

言うの忘れてたんですけど、ハンガリーはEU加盟国ですが通貨単位はユーロではなく独自の「フォリント」。つまりここでしか使えないんですね。初日に3000円分ほど両替したのですがまあほとんど使っておらず、円に戻しても割に合わないということで使い切り作戦。

何か買うべきものはないかなーと思ったんですけどうーん

あまりそそられる雑誌もなく…


飲料は驚きの充実ぶりでした。アルコールも含め写真に写っている数の3倍ぐらいあったかも。コンビニとしては多すぎる印象。やっぱり水が多いですね、ガス入りガスなしフレーバーつき各種。

結局なにも買わず。


ホテル薔薇(違う)


いったんホテルに戻り、バスでドナウ川クルーズへ向かいます。


水着の巨大広告が本当に多かったですね。


外で寝てる人もけっこう多かった。

 

バスに同乗した現地ガイド(日本人のおばちゃん)の声がつぶれまくってて風邪か何かかなと思っていたら「若い頃は美声だともてはやされたんですけどねぇ、職業病でしょうか、こんな声になってしまいました」とのこと。

(このおばちゃんの真似、できます。我ながらとても似ています。いつでも披露できますので聞きたい人は声をかけてください)

で、同乗していたツアー参加者の男性から「ガイドさん、桃井かおりに似てますね!」という声が飛び、「えっ、本当ですか、うれし…」とガイドが言いかけたら男性が「あっ顔は違いますけど、声と喋り方がね!」と正直に言ってしまったもんだからガイドのおばちゃん「あら…顔じゃないんですね、顔も似ててほしかったですね」とシュンとしてしまいました。

 

別の日の現地ガイドも同じことを言っていましたが「ヨハン・シュトラウスの曲にもあるように、美しく青きドナウなんて申しますよね、わたくしもこちらに来て30年ほど経ちますけれども、一度も、いっっちども(強調)ドナウが青いなんて思ったことはありませんでしたねぇ、ええ」だそうです。

「ブダペストって言うのは間違っています、正しくはブダ・ペシュト!ブダ!ペシュト!です!」と言うのと同じように、「美しく青きドナウはまったく青くない!」と日本人観光客に冗談めかして説明するのが現地ガイドの間でテッパンになっているのだなあということがよくわかりました。
(ハンガリー旅行あるあるだと思う)

はい、船乗りました。

ディナークルーズっていうから淡い期待をしてしまいましたが、なんのことはないビュッフェでした。しかも大したことないやつ。
それにしても私のこのセンス(のなさ)には我ながら呆れますね。土井先生に0点!って叱られそうです。

80歳の上品なおばあさまとテーブルが一緒になったのですが、「食べるものがない…」と困っているご様子。あんまりパッとしないものばっかりですよねえ、と同意しかけたのですが、話を聞いてみるとどうもそれだけではなさそう。好き嫌いなどをうかがってみると、ほとんど嫌いなものばかりだと言うのです。「これもダメ、あれも食べられない、好きじゃない、いらない」という感じ。びっくりしたのが「麺類全般ダメ」ということ。ラーメンもうどんも蕎麦もそうめんも冷麦もパスタも嫌い。麺類大好きな私が「えー!なんでですかあ?」と無邪気に聞くと「なんていうんだろ…ほら、長いでしょう、すすらなきゃいけないし、ああ麺類だなあと思うと全然食べたくない…」というわかったようで全くわからない理由でした。アレルギーとか味うんぬんってわけではないんですね。

おばあさま、得体の知れないもの(海外だから当然そういうものも多いわけですが)には絶対に手をつけません。「これ…なあに…?」と周りの様子をうかがい、私たちが先に食べて見せて「これこれこういうものです、おいしいですよ」とすすめても怪訝そうな顔を崩さず首を横に振るだけ。知らないものを口に入れたくないんだろうな。結局おばあさまのお皿に盛られたのはパンや生野菜、じゃがいも、フルーツぐらいでした。

これほど徹底した食わず嫌いも珍しいと思い、逆に興味がわきました。食に対して好奇心旺盛でなんでも食べてみる私とはまるで正反対。

見ていて感じたのは、材料が何なのか見てすぐわかるもの、味付けがシンプルなものだったら大丈夫そう。見たことのない素材や凝った複雑な料理はとにかく彼女にとっては得体が知れなくて恐怖を感じるのかもしれません。

おばあさまはきっと保守的で、新しいもの・わからないことに消極的なんだと思います。決まった人間関係と馴染みの習慣・規則を持ち、そこからはみ出さずに淡々と積み重ねることで生きている人。「はい、私はこれで十分です、これ以上は変化しません」という表明でもある。異文化や新しさは “完全に守られた自分だけの清潔で平穏な世界” を脅かす脅威である、と。すみません、勝手な解釈だし、年とともに消極的になってしまう気持ちはよくわかります。このおばあさまも、今までさんざん災難や不安に立ち向かってご苦労されてきた方であることもわかります。80年間、何事もなく生きてこられる人なんていませんからね。

でもちょっとだけ新しい味も味わってみてほしいな、って思っちゃったんですよね。生意気だけど。


夕日を浴びる国会議事堂。
こういうのってさあ、絵葉書でいいじゃんって思うじゃないですか。
でも実際に目にすると撮らずにいられないんですよね、私の負けです。

 

参加者の多くはご高齢で、会話が保守的すぎるか仕事の話か文句ばかりなので飽きてしまい、一人デッキに出てみました。デッキに出ると、同じような考えの人たち(踊る阿呆のみなさん)でそれなりに賑わっていました。踊らにゃ損だよ。

まばゆいマリオットホテル


ウエス・アンダーソンみがあります。

ん〜〜風が気持ちいい〜。
背中が大胆に開いたデザインの花柄ロングワンピースを風になびかせながら髪をかきあげ、ゆったりとした川の流れと夕闇せまる美しい景色に目を細める…今週の旅サラダガールズはわたくし身長172センチ体重48キロのViViトップモデル、ぬ…

ピーーッ! 妄想タイム終わり!

 

やっぱり私は団体行動が苦手だなあ。保守的な人たちの中でルールに従って動くのが苦手だなあ。ということをつくづく感じさせられる旅だなあ。いや、私も今までじゅうぶんそうやって生きてしまった反省はあるのです。度胸がないから。でも、もうそういうんじゃないんだな、そういう生き方がしたいわけじゃないんだな、ということがわかってスッキリしました。


王宮。「わ〜綺麗♡」とか普通に言ってしまう自分にウケました。

 

夢見心地でホテルの部屋に戻ると天井のエアコン送風口の辺りから水がポタポタ垂れていました。

絨毯に落ちるたびに「ボタッ、ボタッ」と音がするため、こんなの一晩中聞かされたらたまったもんじゃない。すぐにホテルの人に来てもらう。木製のグラグラする脚立を抱えた作業員二人がああでもないこうでもないと調べていったけれど埒があかず、部屋を変えてもらうことに。

やっぱりどのホテルでもいい部屋は確保しているのでしょう、大きくて洒落たソファーとバルコニーのある、明らかにグレードの違う部屋へと変更。

でもお風呂のお湯がなかなかたまらないっていう、ね。海外のホテルは良さそうにみえるところでも色々と問題があるのだなあと勉強になりました。

 

長々とご覧いただきありがとうございました。
次回はハンガリーを離れ、オーストリアはウイーンへ向かいますよ!
そこで80歳のおばあさまに驚くべき展開が! どうぞお楽しみに〜。

星のヌーヨーク中欧へ行く(3)薄れゆく記憶の中で

2018-06-19

ブログを更新する余裕がなく、かなり間があいてしまいました。
気づいたら中欧旅行から1ヶ月経っており、薄れゆく記憶の中を手探りで書き進めたいと思います。

ブダペストからエステルゴムという町へ向かいます。
団体ツアー旅というと付き物なのがバス移動!

私思うんですけど、あちこち移動しながら名所をたくさん見学するよりも、温泉入ってのんびりする日を設けたりしてブダペストをたっぷり味わい尽くしたほうがよっぽど有意義なんじゃないかな〜。旅行会社的にはめったに来れない場所だからとあちこち連れ回したいのでしょうけれども。


写真は歩いて撮りたいところですが、仕方がないのでバスの中から街を撮ることに。流れる風景を撮るのはどうなのかなと思いましたが、シャッタースピードを上げればけっこうシャキッと撮れます。


いろんな窓を眺めるだけで私ゃ幸せだよ


智恵子は東京に空がないといふ。
私はハンガリーの空やたら青くね?と思ふ。


なんか徐々にこの「バス目線」が面白いかもと思い始める。相手に気づかれずにこの距離感、この高さから撮ることってあんまりないもんね。しかも動いてて。電車ほどスピード速くないから風景が流れないし街や人との距離が近いから人物もわりと撮れる。


ただ馬がいるだけなのに、うわー馬だ!馬がいる!と超興奮してしまう。ここにキムタクがいてもそこまで興奮しないと思う。いや、するか。うわーキムタクだ!意外と小っちぇー!て言うか。


一見おんなじような田舎の風景だけど、植生や建物の感じが青森とはやっぱり違うなあと感じます。


おじさんはどの国でもおじさんですねえ。私の町にもこういう白髪ヒゲでお腹がでっぷりしたおじさんがいて、「あれっ、鈴木さんかな」って思いました。

現地ガイドのお姉さんが植物好きらしくて木や花の説明が多く、それはそれでよかった。

写真には写っていませんが、あちこちで大量の白い花を咲かせていたボッザ(Bodza)について、「花と柑橘を漬け込んだものに砂糖を入れて煮てシロップにしたものをガス入りの水で割って飲むのがみんな大好き」というガイドの説明を聞きながら、ん?もしや、と思ったらやっぱりボッザというのはエルダーフラワーのことでした。(日本で言うところの西洋ニワトコ)いっぱい摘んできて、自分でシロップを作るんだって。夏の定番。


窓のところに可愛くお花を飾ってるお宅がたくさんありました。みなさんきれいにしていらっしゃる。


前回のこの旅行記で、環境美化的な目でみるとハンガリーは日本と比べると街がきれいじゃないかも、と乱暴に書いてしまったのですが、それはブダペスト中心部の話かもしれません。ここでは、まったくゴミが見当たりません。


ハンガリーの生協。関係ないけど私の初めてのバイトは生協松原店の日配係だよ。(関係ない)


歩いてたら絶対こんな風には撮らないだろうなっていう写真が撮れてなかなか新鮮です。

 


別の場所を見学したあと、エステルゴム大聖堂に来ました。外観も撮ったのですが関係者が多数写り込んでいましたので載せません。
これは床です。

エステルゴムという都市は、ハンガリー王国時代の初代国王・イシュトヴァーン1世の故郷で、かつてハンガリー王国の首都だったところ。どうでもいいことですが、現地ガイドが「イシュトヴァーン1世」と言うたび私の耳には「いしだ壱成」に聞こえてしまい、広い額に薄い前髪がかぶさったちょっと気持ち悪い顔(いしださんごめんなさい)がチラついて大変でした。


これは天井の一部です。
詳しい解説は各自おググりください。


パイプオルガン。


こういうものに感動が薄い私でも「ほほう」と思う美しい造りです。

 
床が素敵だね。


美しく神聖な場所でした。

 

お昼です。

やはりハンガリーはパプリカやトマト以外の生野菜があんまりよくないかも。葉物のサラダがおいしくない。


出ました、肉とジャガイモの組み合わせ!これはふつうにおいしかったです。奥のピクルス盛り合わせもおいしかったのですが黄色いやつ(黄色唐辛子かも)はシビれるような辛さでした。これはこれでいいアクセントになってワインには合うのかもしれない。

食事につく飲みもの問題というのがありまして、ハンガリーはワインの産地なのでワイン好きな飲んべえの人は全く問題ないのですが、私のようにお酒を飲まない者にとってソフトドリンクの選択肢ってけっこう重要だったりします。それがね〜、どこ行っても「水・コーラ・りんごかオレンジのジュース」しかないんですよ!日本だとどこにでもある烏龍茶がまず無い。うちの父なんて無理やり店員に「ジンジャエールください」って言って「ない」って言われて渋々コーラ飲んでました。私は旅の後半で「水」に行き着きました。結局、食事に合うのは水でした。(ジュースやコーラは甘くてご飯に合わない)


謎デザート。見た目がぐちゃっとしていて「あれ、私のだけ失敗しちゃったのかな?」と思いましたが、みなさんのも全部ぐちゃっとしていたのでこういうもののようです。
食べてみると、ふつうに知ってる味でわりとおいしい。スポンジ生地にたっぷりの生クリームとチョコレートをかけてぐちゃぐちゃにして時間が経ったような味でした。しかし名前はわからず謎。

同じテーブルになったおじさん二人の話が面白くて、この旅で初めて大笑いしたんですけど、なんと、詳しい内容はほとんど覚えてません!(記憶力しっかりしろ〜)

あ、一つだけ思い出しました。ハンガリーのトイレは男性用の小便器の位置がめっちゃ高いらしく、「ケンカ売ってんのかと思いましたよ〜!」とおじさんが憤慨していました。そのおじさんもけっこう長身なんですけど、「したくてもねえ、なかなか便器の高さに届かないから角度変えて上向きにしたら天井にかかっちゃいそうになって、もう!っていうのは冗談だけどね、へっへ、でもちょっとあの高さはありえないよ、ほんとバカにしてるのかと思いましたよ!」

ということなので日本人男性のみなさん、ヨーロッパ旅行へはシークレットシューズ着用、またはトイレは個室利用でどうぞ。

夜はパーティ。

 

 

うーん、おもしろハプニングが何もないな。

どうにか面白くしようとして書いてる(から長引いてしまっている)んですけど、足りない材料でおいしく調理しようとしてもなかなか難しいようです。

苦戦につぐ苦戦、どうするどうなる中欧旅行記!?
つづく!!

星のヌーヨーク中欧へ行く(2)深夜のパラチンタ、夜明けのライオン

2018-05-30

ヌーヨークの中欧団体ツアー、第2弾です。

ようやくハンガリー・ブダペストに着きました。

日本時間だとこの時すでに深夜なんですけど、ハンガリーは夕方6時半にしてこの眩しさと暑さ(25°Cぐらいあった)。ツアー参加者はみな、強い光を当てられて無理やり起こされたような顔。そんな状態で夕食会場へと運ばれます。

いきなりドーン!お店入る前の写真めっちゃブレブレだったので、料理写真からのインでございます。なんと、料理についてなんの説明もありませんでした。ツアー参加者の推定80歳のご婦人Aさんと同じテーブルになったのですが、「これは…何?」と怪訝そうな表情で周りをうかがい、自分からは手をつけようとしません。

興味津々食いしん坊毒見レディことわたくしヌーヨークはためらいもせずに入刀。ってこれ何じゃらほい!?クレープに包まれた何じゃら、でございます。ソースも謎。トマト味…ではない。おいおい、いきなり異国の食文化に先制パンチ食らっちゃったか〜? 中に入っているそぼろ状のものも何なのかわからない。お前は肉か、魚か? 「あ、肉だね」「ん? 肉? ツナ?」「肉かな…」と皆さんも全く回答が出せません。誰も知らない食べ物を深夜に咀嚼するわたしたち。まずくは…ないね、うん、まずくはない。

あとで「ホルトバージ・パラチンタ」であることがわかりました。
パラチンタ!!パラチンタって超言いたい!パラチンタ、パラチンタ、パラチンタ〜!きゃっきゃ。
…ゴホン。パラチンタとはクレープのことだそうです。パプリカソースで煮込んだ肉をほぐしてクレープで包んだ料理だってさ。ハンガリーは内陸国なので何か行事の時にコイなどの川魚を食べるぐらいで、ハンガリー人は日常的に魚をほとんど食べないそうです。この料理に使われるのも鶏肉か牛肉か豚肉。今回のこれはおそらく牛肉かな。かかっているソースはパプリカソース+サワークリームだったのかあ。だよなあ。ハンガリーはパプリカが有名だもんなあ。この料理も「ハンガリー料理といえば」で三番目に挙がるぐらい有名な料理だそうです。無知はつらいよ。

次に運ばれてきたのがこれ。えっ、さっきのは何、前菜? まあいいか。食べる。おお〜、これはおいしいぞ!カラリとした輪切りのポテトフライ、ズッキーニやセロリなど野菜のソテー、チキンの串焼き。ポテトと、炭火で焼いた香りがするチキンが最高にうまい。

後々、この旅行で最終的に何がおいしかったか皆さんに聞いてみたのですが、前回の機内食(焼きうどん)と共に名前が多く挙がったのがこれでした。(ということは…)

2回の機内食を経てのこの食事(今何時だと思ってるんだ!夜中の3時だぞ!)、おいしいけれど完食はできませんでした。ハンガリー料理、味付けは青森とそんなに変わらない塩分濃度だと思いましたね。それでいて量が多い。もしかして短命なのでは…

ググってみました。世界の平均寿命ランキング、対象 187ヶ国のうちハンガリーは…
ドゥルルルルルルル…ダン!68位でした〜微妙〜〜。平均寿命は75.568歳。なるほど。


アコーディオンとバイオリンが奏でるこの土地らしい音楽が聞こえてきました。いいですねえ、こういうの。ハンガリーに来た〜って感じがします。

と思っていたら、なにやら聴き慣れたメロディが…。日本人観光客向けのサービスでしょうか、上を向いて歩こうとか日本の曲やってくれるんですねえ。ありがたい気もするけど、私は正直そういうの大丈夫で〜す、と思いました。ハンガリーらしい曲だけで十分。


デザートがきました。なんかデカイ!かたい!甘い!
3分の1しか食べられなかった。まずくはない。まずくはないんだよ。

とにかく「おいおい、何時にメシ食ってんだよ!」という自己ツッコミが入り、ただ移動しただけで何にもしてないのにご飯食べていいの的な罪悪感もありました。他の人たちはワインもじゃぶじゃぶ飲んでいたわけで、これ何次会? 状態。


ありがとう。お店の人の対応や雰囲気ばっちりだったよ。


外へ出るとこんなブルーバックみたいな空。夜9時でも真っ暗にはならないんですね。あと、窓がさー、こんな風に開くんですよ、窓枠からガタっと外れて落っこちそうに見える開き方。

 

宿泊するホテルへ移動。


なん…これ…
ホテル1階のカフェ。きらびやかで歴史ある建物に現代のカジュアルな人たちが憩っている違和感がすごいです。こういう建物に感動しないつもりで来たんだけど、どうしても「わー」とか声出ちゃうよね、わー。写真右下のスペースで朝食を食べるんだってさ、わー。高まる期待。

 

 

チュンチュン。一夜明け。

およそ10年ぶりにハンガリーを訪れた父がどうしてももう一度見たいと言うので朝早く起きてタクシーを手配し、「くさり橋」のところまで来ました。


はーい、これがくさり橋…あれ、間違えました。


はいドーン!

ドーン!と 言ったものの全く迫力のないボンヤリ写真なのは、私がこういうものに興味がなさすぎてどう撮ればいいのかわからないし、絵葉書買えばよろしいやん!と思っているからなのです。

言い訳はドナウ川に捨てましょう。さて、このくさり橋はドナウ川に最初に架けられた全長約380メートルの橋で、西のブダと東のペシュトを結んでいるのでございます。


私が撮るならこういう写真だよね。


橋の近くに、やや豪華な客船が停泊しておりました。
それを気にせずベンチでくつろぐおじさん。このあとカバンから何か出して食べていました。いいね。


路面電車「トラム」。かわいい。

朝は気持ちがいいよねえ。ハンガリーは日本みたいにジメっとしてなくて乾燥しています。気温は20度ぐらいで心地いい。
帰りもタクシーに乗るつもりの父に対し、そんなのつまらない!と思う娘の必死のプレゼン「ぼったくりじゃないタクシー探すのめんどくさいから歩いていこうよ、スマホの地図見ながらたったの20分で着くよ」→採用。

早くもツアーの団体行動に息苦しさを感じていた私はほんの2〜30分でも自由に歩ける時間が欲しかったのです。

平日の朝ということでちょうど通勤時間帯だったと思うんですけど、我々日本人観光客が信号なき横断歩道を渡る際、ドライバーさんたちが止まって「どうぞどうぞ」と快く譲ってくれる場面が何度もあり、嬉しかったです。


ちょっとあなた!ビッグコミックオリジナル落としましたよ!


街中に観覧車のある風景。


公園の中にありました。


水着の広告がやたら多かった。


ブダペスト、外で寝てる人けっこういる。


ひっそりスケートエリア。


時計、合ってないし


泣く子もだまるリッツカールトン(私の宿ではない)


🚲 🚲 🚲


いいカーブ


日本的なものを見つけるとつい「あ!」と思ってしまう日本人。


環境美化的な面で言うとやっぱり日本の方がきれいかなと思いますね。中欧、落書きめっちゃ多いしゴミもけっこう落ちてる。ちなみにハンガリーは飲食店など屋内は完全禁煙なのですが、一歩外へ出ればどこで吸ってもOK。飲食店もテラス席ならOKというところが多い。外で吸うのはいいけど、なるべく灰皿あるとこで吸ってね、吸い殻はポイ捨てしないでよね、というスタンス。


スマホで地図アプリが使える環境さえあれば、海外でもぜんぜん一人で歩けるなあと感じました。ハンガリーは治安もいいですしね。スリにだけ注意すれば大丈夫。


キックボード乗ってる人ほんとに多かった。ちょっとした移動には確かに便利そう。そのまま持ってバスやトラムに乗れるしね。


私は人が生活している窓を見るのが大好きなので、もっと時間があったらただぼーっと窓を眺めて気持ちよくなって、それだけで十分満足できる自信があります。


テーブルセッティング


たかだかスローペースで30分ほどの移動だったのですが、70代の父はやはり少々バテたようで「まだか、あと何分だ」と急かされながらの散歩となりました。顔に「あータクシー乗ればよかった」と書いてあります。

特に見所もない場所を歩くということは、父親世代の多くの人にとって「目的地にたどり着くまでの通り道」でしかないんだなあということがよくわかりました。つまらない(と決めつけている)からなるべく最短距離で通り過ぎたい、疲れるだけだからできれば歩きたくない道なんですね。でも私はそういう道を愛しているし、そういう道にこそ面白さがあると思っているので全く話が合わないなあと思いました。まあ年だからしょうがないよね。ああ、若くて体力があって好奇心旺盛なイケメンと散歩したかった…

 

さてさて、ホテルに着きまして、お待ちかねの朝食です。歩いたのでおなかが空きました。

すばらしきセンス。(の無さ)

ふつうこういうホテルのビュッフェスタイルの朝食ってさあ、サラダがあるじゃないですかぁ、好きなだけ野菜よそって好きなドレッシングかけてぇ…それが、無いんですよ!生野菜が!!なんで?why? 乱切りのパプリカとプチトマトなら生のやつあったけどさあ。野菜大好きOLことわたくしヌーヨーク、サラダが作れず意気消沈してこんなダサいプレートになってしまいました。(そもそもハンガリーは生食用の野菜があんまりないみたい)

可愛いお姉さんがサーブしてくれたコーヒーもなんかシブくて香りもひどくてまずかった。ので部屋に 戻って、日本から持ってきたコーヒー飲み直し。ぬぬぬ。

 

おそろしく何も起こっていない海外旅行ですが…つづく!!

星のヌーヨーク中欧へ行く(1)なかなか着かない

2018-05-24

「1日休むと取り戻すのに3日かかる」などという呪いの言葉を耳にすることがありますが、ではブログを10日以上休んだら一体どうなってしまうのでしょうか。

忘れられる。

はい、というわけで皆さんこんにちは、初めまして。「世界の貝」ヌーヨークと申します。日々のあれこれをヌーヨーク目線の写真と文章でお届けするのがこのヌーヨークタイムズです。ひとつよしなに。

 

ちょっと旅行をしておりました。草津でも熱海でも別府でもありません、海外です。5年半前にタイへ行って以来の海外です。前泊も入れて一週間ほど。なんといいますか、自力ではない旅行です。自発的でもなく自腹も切らない。おんぶに抱っこのお気楽団体ツアーでございます。そもそも母が行くはずだったのを私が行くことになりまして。父や同業の知人、知らない人、添乗員が同行。自分で行きたくて行く旅ではないし団体行動が苦手で一人ふらふらしたいタイプなので旅行前はかなり面倒くさく、行かなくて済むように「いやじゃ、いやじゃ」と駄々をこねてみたりもしたのですが無駄でした。無駄々ヒカル。
エ〜!? タダで海外行けるんでしょ〜? いいじゃ〜ん! と皆さんは口をそろえて言うことでしょう。でも私は一週間旅をするなら自分の意志で草津や熱海や別府を選びたい人間なのです、バン!!

と机を叩いてみたところで行き先が変わるわけではありません。
まずはおとなしく青森から羽田へ、羽田から成田へと運ばれます。


かぶ。
(これが何の建物かご存知の方、SNS経由でメッセージください)

 

※5月25日加筆
yukitãoさん(@zooiiooz)から大田市場青果棟ではないかとの有力な情報をいただきました!ありがとうございます。

 
「ぱふぅ家のホームページ」大田市場 青果棟・水産棟・関連棟
 より

おお〜!奥に見えるのがあの「かぶ」!たけのこやぶどうも可愛い〜。水産棟は「鯛」。リンク先は2008年に見学された方のページです。成り立ちや情報が詳しく書かれていますのでぜひ読んでみてください。

(加筆ここまで)

前泊の成田のホテルにて、同じツアーの人たちと食事。参加者は35名ほど。70代以上6名、5~60代が15名、3~40代が10名、20代4名ってとこですかね。私によるあてずっぽう内訳だと。80歳ぐらいに見える上品な白髪のご婦人もお一人で参加されていました。

そして関係のない写真。


未知との遭遇。

 

土地柄か、ホテルは外国の方でいっぱいでした。
泊まった部屋のシャワーカーテンの雑菌臭がひどく、ハイターしたくなりました。


旅立ちの朝。

 

成田からまずヘルシンキへ向かいます。


ユーロへの両替は日本の空港で済ませておいたほうがレートが良い、ということなので並びます。


待つ間、暇なので無料インターネットのパソコンに、わが「ヌーヨークタイムズ」を表示させてみました。これはまるでヤバイ植物を売っている胡散臭いサイトじゃないか。

 

フィンランド航空(FINNAIR)でヘルシンキへ向かいます。

機内はマリメッコとのコラボで可愛いことになっていました。ビジネスクラスにはマリメッコのファブリックを使ったスリッパやクッション、掛け布団があり、座席もひろびろ。マリメッコ柄のポーチに入ったアメニティキットもサービス。機内食もマリメッコのテーブルウェアで提供されるようです。

公式動画があります。詳しく知りたい方はどうぞ。

我々が乗ったエコノミーコンフォート(ちょっと足元広めでノイズキャンセリングヘッドフォン付きのエコノミー)にも柄物の毛布、小さなまくら(無地)、アイマスクと耳栓の入った柄物のポーチがついていました(ポーチは持ち帰れる)。紙コップやナプキンもマリメッコ。エコノミーでもじゅうぶん楽しい。フィンエアー、いいですね。

約10時間のフライト。

でもさあ、考えてみたら、私が貧乏上京の際に利用している「パンダ号」とか「ノクターン号」といった弘前↔︎東京間の高速バスも所要時間9〜10時間なんですよね。同じ時間かけたらフィンランドに着いちゃうんだって思ったらフィンランド行ったほうがいいんじゃないかって気がしますよね。料金はまあエコノミーでも20倍ぐらいですけど。

本も持ってきていたのですが、結局映画を見ることにしました。

ウェス・アンダーソンの『犬ヶ島』もしかしたらあるかな〜?と思ったら無かった…のですが、『グランドブダペストホテル』ならありました。もう2〜3回観ているけれどまた観る。やっぱりいい。観よう観ようと思っていた『スリービルボード』も観れた。父は3本観たようだ。タフガイ。


機内食(1回目)。チキンかビーフが選べて、チキンを選んだ人はこれ。
どうも写真にやる気が感じられませんね。まあ狭いですし、隣は赤の他人なので記録用にサッと撮りました。先にご飯もの(味はふつう)をやっつけてから、パンを手で上下半分に割ってクリームチーズと左上に見えるサラミとポテトサラダとブラックオリーブを挟んで食べました(うまい)。通路側に座る隣の他人は30代半ばぐらいの日本人男性で中肉中背、髪は短め、チノパン、スニーカーはナイキ、特徴のない顔(眼鏡等なし)。彼は映画を観るでもなく、毛布をかけて寝るわけでも何か読むわけでもなく、ただ腕を組んで座ったまま目を閉じているが完全には寝ていない感じで謎だった。機内食も食べないし持参の飲み物しか飲まない。トイレにもめったに立たない。


機内食(2回目)。到着の2時間前ぐらいに提供されました。
ポークかシーフードが選べて、ポークがこれ。(写真がひどい。叶姉妹のお姉さんが撮ったのかと思うよね。食べかけで気づいて慌ててiphoneで撮りました)
しょうゆ味の焼うどん。アツアツとろとろで、ものすごくおいしく感じました。隣人もこれはハフハフいいながら食べていてちょっと安心。後日、焼うどんを選んだ人たちで「あれ、おいしかったよね」と話したぐらい、これはおいしかったなあ。

食後、隣人男性の動きが急に慌ただしくなり、荷物からバサっと資料らしき紙の束とノートパソコンを取り出し、座席のライトをつけてカチャカチャと何やら文書を作成し始めました。薄目でノートパソコン画面を見ると「請求書」の文字が飛び込んできた。エー!?それ今作る〜? 不思議な人だ。

 

そんなこんなでヘルシンキ・ヴァンター国際空港到着。

乗り継ぎの時間があまりないということで、歩きながらスナップ。なんかねぇ、雰囲気のいい空港だなって思いましたよ。


トナカイの毛皮が空港内のあちこちで売られています。129.95ユーロ。1ユーロだいたい130円なので、1万7千円弱ってところ。あら意外と安いわよ、奥さんいかが?


いざ、ハンガリーはブダペストへ!あと2時間ちょっと。


雲はいいよなあ。ぼーーーっ。実はこの時、日本時間は深夜。眠いわけだ。

時々、「おもしろい文章を書くには」みたいな文章読本を読むこともあるんですけど、そこにこんな一文がありました。

海外ネタに凡作が多い。異国情緒の目新しさに筆者だけがやたら興奮・感動するパターン。

どうしましょう、この筆者(わたし)は異国情緒の目新しさに興奮・感動すらしない気がして先が思いやられます。団体ツアーというのはきっと、有名な観光スポットしか案内しないでしょう。その中でいかに私の目線で面白いものを見つけられるか。そしてそれを皆さんにどう伝えるのか。

 

うぉー!ハードル上げ上げにして、つづく!