蛍の光 第9回 神田岩本町「アカシヤ」ほか

2019-04-29

このお店のことを「蛍の光」に書くことになるとは思っていませんでした。

神田岩本町の喫茶店「アカシヤ」さん。
来店は2018年11月。
旧友と神田まつやでお蕎麦をいただいたあと街をぶらぶら、ちょっとコーヒーを飲もうと何気なく立ち寄ったのでした。

年季の入ったビルです。

丸窓!

まあ、また来れるだろうぐらいの軽い感じで、写真を撮るのも気合いが入っていないように見えます。(全体撮るのを忘れてる)

二階へ。いいですねえ。

壁際の席に座りました。私は甘いものがたべたくてシフォンケーキとコーヒーをたのみました。
(写真がブレていて使えないので写真はありませんがシフォンケーキはとてもおいしかったです)

居心地がよくて話し足りないくらいでした。


また来よーっと!ぐらいな軽い気持ちでいたのですが、

先日ツイッターをぼーっと見ていたらアカシヤ 4月27日閉店というツイートが。ビル老朽化のためということです。
古い喫茶店は老朽化や店主の高齢化でなくなりがちではあるけれど、特にここ最近多くない?なんなの…



というのも。

 

私が東京へ行ける機会はそれほど多くはありませんが、今年に入ってからたまたま通りかかって写真を撮ったところが相次いで閉店しているのです、、

例えば浅草のアンヂェラス。


たしか今年の1月半ば。開店前だったのでショーケースのサンプルだけ撮影。
私がかつて上京して初めて行った喫茶店はアンヂェラスだったなあとか思いながら。

まさかこの2ヶ月後に閉店しようとは。

 

さらに

こちらは神保町のエリカ。


これもたまたま神保町に用があり、目的地へ行くまでの道すがら撮ったもの。(3月初旬撮影)


土日祝休みかぁと思い、


平日だけとなるとなかなか来るのは厳しそうだなあなどと思っていたら、
もう二度と行くことができなくなってしまいました。(3月29日閉店)

仕方のないことなのだろうけど、やはり寂しいものです。改元を待たずに閉店となってしまった古き良き喫茶店たち、さようなら。

おや、蛍の光が聞こえてきました…ひときわ悲しい音色に思えます。そろそろ、おいとましましょうか。

 

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蛍の光 第8回 「ゲームコーナー ミッキー」

2019-03-22

神保町でおいしいつけ麺を食べたあと、辺りをぶらぶらしていて突然この光景が目に飛び込んできた時、テレビでよく見る有名人を見つけたように興奮して「ミッキーだ!」と思いました。


ゲームコーナー ミッキー(2013年3月29日閉店)
閉店からすでに6年の月日が経っていますが、建物はまだ残っているのですね。


ミッキーの光と影。オール¥50

閉店が話題になっていた時、「こんなところがあったのか!行ってみたかったな」と悔しい思いで記事や画像を眺めていたので、まさか6年後こんな形でお会いできるとは…ミッキーさん。

 

在りし日の姿を私は知らないので、良記事を貼り付けておきます。ぜひご覧ください。
老舗ゲーセン「ミッキー」32年の歴史に幕 開店以来貫いた「1プレイ50円」のココロ

 

動くミッキーも見つけました。撮影者のドキドキ感まで伝わってきます。
その先も見たい!というところで終わってしまうのですが、当時行くことができなかった者にとっては、とても貴重な動画です。

 

おや、どこからか電子音の蛍の光が聴こえてきましたね、そろそろおいとましましょうか。

 

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蛍の光 第7回 「珈琲 カブト」

2018-10-21

茅場町「珈琲 カブト」

用事を足したあと周辺をウロウロしていて「おっ、喫茶店があるな」と思ったのですが、どうやらもう終わりのようです。

日本橋兜町に近いので「カブト」なんでしょうね。

いつ終わったのでしょうね。年季の入った終わり方です。ネットにはほとんど情報がなく、2015年3月に町歩きをした方のブログを見ましたが、その時すでに終わっていた模様。
どんな店内で、何がおいしかったのか、当時をうかがい知ることはできません。


「ブ」の濁点の置き所に特徴がありますね。


片付けようとして諦めた感が漂っています。
その気持ち、わかります。


カブトよ永遠(とわ)に…

 

おや、古いラジカセから蛍の光が流れてきました。カセットテープがのびているのでしょう、音が歪んでいます。それではそろそろ、おいとましましょうか。

 

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蛍の光 第6回 「大館ドライブイン」

2018-07-30

閉店になったお店などを写真で紹介するシリーズです。

 

大館ドライブインです。詳細は不明です。

もっさりしていてイマイチ垢抜けない良さがある文字。

逆光のせいで静けさが増幅されてドラマティックになっていました。
お食事、宿泊、のほかに何が書かれていたんだろう。手品、タロット、かな。(違うと思う)

ドライブインって、ここみたいに終わってしまう所も多いんだけど、現役もけっこうあるんですよね。車を走らせていて「お」と目に止まるのはドライブインが多いです。外観や雰囲気にはとても惹かれるんですけどねえ、入るまでには至らないことが多いです。

これには、私の子供時代の家族旅行が関係している気がするのです。小学2~3年生ぐらいだったかなあ、親戚らと分乗して夏休みの数日間を車で旅行した思い出の中に、「途中のドライブインで食べた適当なご飯」というのがあり、私にはそれがとても嫌な出来事として残っているのです。当時の街はずれのドライブインというのは、なんとなく薄暗くて流行っていない感じ、混んでいるのに活気がなく、料理もぱっとせず店員も無愛想でした。さらに、(これはドライブイン側の落ち度ではありませんが)私はそこのテーブルの網棚に大事なポーチと小銭入れを忘れてしまったのでした。あ、と気づいたものの時すでに遅し、今さら引き返せない距離だからあきらめるようにと諭されました。お気に入りのピンクのポーチと赤いギンガムチェックの小銭入れ(小さく折りたたんだ千円札も入っていた)を忘れたことがショックで、そもそも家族や親戚と行く旅行にたいして面白みを感じていなかった女児は、しみったれたドライブインに大事なものを忘れた馬鹿馬鹿しさも相まって「家で留守番して絵描いてたほうがマシだったなあ」などと思うのでした。

その時、
ドライブイン=いやな場所
と学習してしまったせいで、なんとなく今でも入るのをためらってしまいます。だからなのか、終わってしまったドライブインを見るとなんとなくホッとするのです。(ごめんなさい)

おや、どこからか調子っぱずれのピアノが聴こえてきました、蛍の光のようです。それではまた、ごきげんよう。

 

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蛍の光 第5回 「お食事ビル ふじ」

2018-05-07

「お食事ビル ふじ」秋田県大館市

詳細不明です。

大館駅前、秋北バスの乗り場や秋北食堂(うまい)のすぐそばにあります。
閉店してからかなりの年月が経っているようです。


お食事ビル、というのがいいですね。看板が藤色です。

具沢山の鍋です。

オムライスがすやすや眠っていました。

 

そういえば同じ大館市内に「レストハウス有浦ふじ」ってあるよなあ、もしや移転先か系列店?と思いホームページをのぞいてみたところ、会社案内に

設立・設置年月 昭和59年9月 (駅前鍋専店ふじは昭和44年)

という記述がありました。
どうでしょう、極めてそれっぽいですけどね。(これ以上調べない)

 

ストリートビューで見てみると、2015年当時はまだ外壁にツタが青々と茂っていたようです。
かっこいいですね。

 

おや、蛍の光が流れてきました。ちょっと踊ってみましょうか。

 

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蛍の光 第4回 金華堂

2018-04-21

お蕎麦を食べたあと五所川原を少しぶらぶらしていて見つけました。


ガクブチのお店のようです。青森に戻ってきて思ったのは、額縁屋やプラモデル屋がけっこうあるな、ということでした。


なかなか洒落た看板です。
「営業中」のプレートがかかっているのですが、どうも営業していないようですね。
ググってみると「廃業」の赤い二文字が。
(もし「やってるよ!」との情報をお持ちの方はtwitter等でご連絡ください)


「金華堂」の文字が堂々としています。額縁を扱っていたということは美術に造詣が深かったのでしょうか。あちこに美的センスがうかがえますね。
看板の裏側に「店飾造花の店」の文字も見えます。


入り口に貼り紙がしてありました。


「さんぽ」でしょうね。ご主人はお散歩に行かれたようです。

 

おや、蛍の光が流れてきました。そろそろおいとましましょうか。桜が咲きました。

 

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蛍の光 第3回 旧岩手教育会館

2018-03-27

旧「岩手教育会館」(盛岡市)

1965年 竣工。(菊竹清訓建築設計事務所)
2015年 建て替えのため解体。


一部がせり出していてかっこいいです。


ゆる〜く湾曲しています。


定礎までいい。

2012年6月、本のイベントのために来盛した私は、以前から雑誌等で知っていたこの建物を実際に見てみたくなり、訪れました。スッとすました顔で街なかにデ〜ン!と鎮座するその迫力に驚き、これは広角レンズじゃないと上手く撮れないぞ、だが私は広角レンズを持ってない!などと、じりじりしながら向かい側の芝生に寝転び、グラビアアイドルを追っかける熱心なファンのおじさんよろしく鼻息を荒くして下から舐めるように撮りました。すぐそばの盛岡城跡公園(岩手公園)から撮ったほうが効果的だということを後に知りましたが当時はなんの予備知識もなかったため、あくまでも接近戦。ファインダーにおさまりきれない被写体を抑えきれない衝動だけで撮りました。この日は中に人がたくさんいたので内部の撮影は遠慮したのですが、翌年改めて内部を撮影したものが…えーと、あるにはあるのですが、友人とふざけて撮った写真しかなく、まさかそのあと建て替えのために解体されるとは思わなかったので完全に失敗です。こういうとこツメが甘いです。中も素敵だったんですよ。


くるりんとしたフォントも可愛い「カフェテラス 白鳥」 (2013年5月撮影)

 

建て替えの理由をざっくり書くと、公園から岩手山を眺められるように4階建ての建物にしよう!ということらしいです。つまり、本来は盛岡城跡公園(岩手公園)から岩手山が見渡せるのですが、この7階建ての建物が邪魔になっていたようです。公園側に立つ人にとっては邪魔かもしれないけれど、この建物内の人たちには城跡公園も岩手山も見れてさぞかし絶景だったことでしょう。
実際、公式ホームページの概要には

広大な庭園「盛岡城跡公園」。その四季折々の景観は、当会館からの眺めに勝るところはないのではと自負しています。

という一文があります。そしてまた、私にとってはこの建物こそが絶景だったわけなんですけどね。でもまあ、見晴らしのいい公園から山を眺めたいっていう人が大多数なんでしょうね。うん、わかりますよ、山が見えたらうれしいですよね。

 

竣工から50年経って(建って)いたわけですから耐震基準の問題も含め、「お役目を終えた」という納得のしかたもあるのかもしれません。

いい動画を見つけました。ありし日の、活気ある岩手教育会館の姿です。

 

おや、蛍の光が流れてきましたね。そろそろおいとましましょうか。
なお、新しい岩手教育会館は、まもなく開館ということです。
(2018年3月27日現在 ヌーヨーク調べ)

 

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蛍の光 第2回 陽のあたる「東部食品市場」

2018-03-03

「東部食品市場」(青森市浪打銀座通り)


2011年6月5日(日)撮影。

 

2016年11月27日、火災のため全焼。(火事によるけが人なし)
検索すると火災を伝える悲しいニュースや画像がたくさん上がってくるので、せめて私はこの休日の夕方にやさしく陽があたっている東部食品市場の写真を残しておこうと思います。
どうかみなさんこの写真を目に焼き付けていってください。

友人のブログをリンクしておきます。
『280円の贅沢 !レトロな東部食品市場で買う焼きたて「やきそばたこやきセット」』
おいしそうだね。

 

おや、蛍の光が流れてきました。そろそろ、おいとましましょうか。

 

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