蛍の光 第6回 「大館ドライブイン」

2018-07-30

閉店になったお店などを写真で紹介するシリーズです。

 

大館ドライブインです。詳細は不明です。

もっさりしていてイマイチ垢抜けない良さがある文字。

逆光のせいで静けさが増幅されてドラマティックになっていました。
お食事、宿泊、のほかに何が書かれていたんだろう。手品、タロット、かな。(違うと思う)

ドライブインって、ここみたいに終わってしまう所も多いんだけど、現役もけっこうあるんですよね。車を走らせていて「お」と目に止まるのはドライブインが多いです。外観や雰囲気にはとても惹かれるんですけどねえ、入るまでには至らないことが多いです。

これには、私の子供時代の家族旅行が関係している気がするのです。小学2~3年生ぐらいだったかなあ、親戚らと分乗して夏休みの数日間を車で旅行した思い出の中に、「途中のドライブインで食べた適当なご飯」というのがあり、私にはそれがとても嫌な出来事として残っているのです。当時の街はずれのドライブインというのは、なんとなく薄暗くて流行っていない感じ、混んでいるのに活気がなく、料理もぱっとせず店員も無愛想でした。さらに、(これはドライブイン側の落ち度ではありませんが)私はそこのテーブルの網棚に大事なポーチと小銭入れを忘れてしまったのでした。あ、と気づいたものの時すでに遅し、今さら引き返せない距離だからあきらめるようにと諭されました。お気に入りのピンクのポーチと赤いギンガムチェックの小銭入れ(小さく折りたたんだ千円札も入っていた)を忘れたことがショックで、そもそも家族や親戚と行く旅行にたいして面白みを感じていなかった女児は、しみったれたドライブインに大事なものを忘れた馬鹿馬鹿しさも相まって「家で留守番して絵描いてたほうがマシだったなあ」などと思うのでした。

その時、
ドライブイン=いやな場所
と学習してしまったせいで、なんとなく今でも入るのをためらってしまいます。だからなのか、終わってしまったドライブインを見るとなんとなくホッとするのです。(ごめんなさい)

おや、どこからか調子っぱずれのピアノが聴こえてきました、蛍の光のようです。それではまた、ごきげんよう。

 

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