日記

2020-12-16

わからないことがたくさんあるのは幸せだ。わからないものについて考え続けられるのは幸せだ。

先日買った分厚く重い写真集は一筋縄ではいかない本だ。簡単に「いい」とか「わるい」とか「わかる」なんて言えない本だ。私は「わからない」ことを考え続けられる時間を買ったのだと思う。それは私にとってこの上ない幸せである。わからなくても、写真として強く、恐ろしく、面白い。頭ではなく、体が「わかる」と言う。見た時にゴーっと音がする。体じゅうの血が共振しているのだ。

私もいつか、そんな写真を撮りたい。

その先に何があるのか、前もってはわからない。私は未来の「におい」のようなものは察知できるし、「今だ!」という瞬間もわかる。でも、その先に何が待っているのかまではわからない。まったく自分の想像も及ばなかったようなことが、時々起こる。起こっている。ここから私はどこへ運ばれていくんだろう。どこへ向かおうとするだろう。ただ振り落とされないように、しっかり自分で自分をつかまえておく。遅いなんてことはない、いつかそのスピードに乗れる。そう信じる。