星のヌーヨーク中欧へ行く(2)深夜のパラチンタ、夜明けのライオン

2018-05-30

ヌーヨークの中欧団体ツアー、第2弾です。

ようやくハンガリー・ブダペストに着きました。

日本時間だとこの時すでに深夜なんですけど、ハンガリーは夕方6時半にしてこの眩しさと暑さ(25°Cぐらいあった)。ツアー参加者はみな、強い光を当てられて無理やり起こされたような顔。そんな状態で夕食会場へと運ばれます。

いきなりドーン!お店入る前の写真めっちゃブレブレだったので、料理写真からのインでございます。なんと、料理についてなんの説明もありませんでした。ツアー参加者の推定80歳のご婦人Aさんと同じテーブルになったのですが、「これは…何?」と怪訝そうな表情で周りをうかがい、自分からは手をつけようとしません。

興味津々食いしん坊毒見レディことわたくしヌーヨークはためらいもせずに入刀。ってこれ何じゃらほい!?クレープに包まれた何じゃら、でございます。ソースも謎。トマト味…ではない。おいおい、いきなり異国の食文化に先制パンチ食らっちゃったか〜? 中に入っているそぼろ状のものも何なのかわからない。お前は肉か、魚か? 「あ、肉だね」「ん? 肉? ツナ?」「肉かな…」と皆さんも全く回答が出せません。誰も知らない食べ物を深夜に咀嚼するわたしたち。まずくは…ないね、うん、まずくはない。

あとで「ホルトバージ・パラチンタ」であることがわかりました。
パラチンタ!!パラチンタって超言いたい!パラチンタ、パラチンタ、パラチンタ〜!きゃっきゃ。
…ゴホン。パラチンタとはクレープのことだそうです。パプリカソースで煮込んだ肉をほぐしてクレープで包んだ料理だってさ。ハンガリーは内陸国なので何か行事の時にコイなどの川魚を食べるぐらいで、ハンガリー人は日常的に魚をほとんど食べないそうです。この料理に使われるのも鶏肉か牛肉か豚肉。今回のこれはおそらく牛肉かな。かかっているソースはパプリカソース+サワークリームだったのかあ。だよなあ。ハンガリーはパプリカが有名だもんなあ。この料理も「ハンガリー料理といえば」で三番目に挙がるぐらい有名な料理だそうです。無知はつらいよ。

次に運ばれてきたのがこれ。えっ、さっきのは何、前菜? まあいいか。食べる。おお〜、これはおいしいぞ!カラリとした輪切りのポテトフライ、ズッキーニやセロリなど野菜のソテー、チキンの串焼き。ポテトと、炭火で焼いた香りがするチキンが最高にうまい。

後々、この旅行で最終的に何がおいしかったか皆さんに聞いてみたのですが、前回の機内食(焼きうどん)と共に名前が多く挙がったのがこれでした。(ということは…)

2回の機内食を経てのこの食事(今何時だと思ってるんだ!夜中の3時だぞ!)、おいしいけれど完食はできませんでした。ハンガリー料理、味付けは青森とそんなに変わらない塩分濃度だと思いましたね。それでいて量が多い。もしかして短命なのでは…

ググってみました。世界の平均寿命ランキング、対象 187ヶ国のうちハンガリーは…
ドゥルルルルルルル…ダン!68位でした〜微妙〜〜。平均寿命は75.568歳。なるほど。


アコーディオンとバイオリンが奏でるこの土地らしい音楽が聞こえてきました。いいですねえ、こういうの。ハンガリーに来た〜って感じがします。

と思っていたら、なにやら聴き慣れたメロディが…。日本人観光客向けのサービスでしょうか、上を向いて歩こうとか日本の曲やってくれるんですねえ。ありがたい気もするけど、私は正直そういうの大丈夫で〜す、と思いました。ハンガリーらしい曲だけで十分。


デザートがきました。なんかデカイ!かたい!甘い!
3分の1しか食べられなかった。まずくはない。まずくはないんだよ。

とにかく「おいおい、何時にメシ食ってんだよ!」という自己ツッコミが入り、ただ移動しただけで何にもしてないのにご飯食べていいの的な罪悪感もありました。他の人たちはワインもじゃぶじゃぶ飲んでいたわけで、これ何次会? 状態。


ありがとう。お店の人の対応や雰囲気ばっちりだったよ。


外へ出るとこんなブルーバックみたいな空。夜9時でも真っ暗にはならないんですね。あと、窓がさー、こんな風に開くんですよ、窓枠からガタっと外れて落っこちそうに見える開き方。

 

宿泊するホテルへ移動。


なん…これ…
ホテル1階のカフェ。きらびやかで歴史ある建物に現代のカジュアルな人たちが憩っている違和感がすごいです。こういう建物に感動しないつもりで来たんだけど、どうしても「わー」とか声出ちゃうよね、わー。写真右下のスペースで朝食を食べるんだってさ、わー。高まる期待。

 

 

チュンチュン。一夜明け。

およそ10年ぶりにハンガリーを訪れた父がどうしてももう一度見たいと言うので朝早く起きてタクシーを手配し、「くさり橋」のところまで来ました。


はーい、これがくさり橋…あれ、間違えました。


はいドーン!

ドーン!と 言ったものの全く迫力のないボンヤリ写真なのは、私がこういうものに興味がなさすぎてどう撮ればいいのかわからないし、絵葉書買えばよろしいやん!と思っているからなのです。

言い訳はドナウ川に捨てましょう。さて、このくさり橋はドナウ川に最初に架けられた全長約380メートルの橋で、西のブダと東のペシュトを結んでいるのでございます。


私が撮るならこういう写真だよね。


橋の近くに、やや豪華な客船が停泊しておりました。
それを気にせずベンチでくつろぐおじさん。このあとカバンから何か出して食べていました。いいね。


路面電車「トラム」。かわいい。

朝は気持ちがいいよねえ。ハンガリーは日本みたいにジメっとしてなくて乾燥しています。気温は20度ぐらいで心地いい。
帰りもタクシーに乗るつもりの父に対し、そんなのつまらない!と思う娘の必死のプレゼン「ぼったくりじゃないタクシー探すのめんどくさいから歩いていこうよ、スマホの地図見ながらたったの20分で着くよ」→採用。

早くもツアーの団体行動に息苦しさを感じていた私はほんの2〜30分でも自由に歩ける時間が欲しかったのです。

平日の朝ということでちょうど通勤時間帯だったと思うんですけど、我々日本人観光客が信号なき横断歩道を渡る際、ドライバーさんたちが止まって「どうぞどうぞ」と快く譲ってくれる場面が何度もあり、嬉しかったです。


ちょっとあなた!ビッグコミックオリジナル落としましたよ!


街中に観覧車のある風景。


公園の中にありました。


水着の広告がやたら多かった。


ブダペスト、外で寝てる人けっこういる。


ひっそりスケートエリア。


時計、合ってないし


泣く子もだまるリッツカールトン(私の宿ではない)


🚲 🚲 🚲


いいカーブ


日本的なものを見つけるとつい「あ!」と思ってしまう日本人。


環境美化的な面で言うとやっぱり日本の方がきれいかなと思いますね。中欧、落書きめっちゃ多いしゴミもけっこう落ちてる。ちなみにハンガリーは飲食店など屋内は完全禁煙なのですが、一歩外へ出ればどこで吸ってもOK。飲食店もテラス席ならOKというところが多い。外で吸うのはいいけど、なるべく灰皿あるとこで吸ってね、吸い殻はポイ捨てしないでよね、というスタンス。


スマホで地図アプリが使える環境さえあれば、海外でもぜんぜん一人で歩けるなあと感じました。ハンガリーは治安もいいですしね。スリにだけ注意すれば大丈夫。


キックボード乗ってる人ほんとに多かった。ちょっとした移動には確かに便利そう。そのまま持ってバスやトラムに乗れるしね。


私は人が生活している窓を見るのが大好きなので、もっと時間があったらただぼーっと窓を眺めて気持ちよくなって、それだけで十分満足できる自信があります。


テーブルセッティング


たかだかスローペースで30分ほどの移動だったのですが、70代の父はやはり少々バテたようで「まだか、あと何分だ」と急かされながらの散歩となりました。顔に「あータクシー乗ればよかった」と書いてあります。

特に見所もない場所を歩くということは、父親世代の多くの人にとって「目的地にたどり着くまでの通り道」でしかないんだなあということがよくわかりました。つまらない(と決めつけている)からなるべく最短距離で通り過ぎたい、疲れるだけだからできれば歩きたくない道なんですね。でも私はそういう道を愛しているし、そういう道にこそ面白さがあると思っているので全く話が合わないなあと思いました。まあ年だからしょうがないよね。ああ、若くて体力があって好奇心旺盛なイケメンと散歩したかった…

 

さてさて、ホテルに着きまして、お待ちかねの朝食です。歩いたのでおなかが空きました。

すばらしきセンス。(の無さ)

ふつうこういうホテルのビュッフェスタイルの朝食ってさあ、サラダがあるじゃないですかぁ、好きなだけ野菜よそって好きなドレッシングかけてぇ…それが、無いんですよ!生野菜が!!なんで?why? 乱切りのパプリカとプチトマトなら生のやつあったけどさあ。野菜大好きOLことわたくしヌーヨーク、サラダが作れず意気消沈してこんなダサいプレートになってしまいました。(そもそもハンガリーは生食用の野菜があんまりないみたい)

可愛いお姉さんがサーブしてくれたコーヒーもなんかシブくて香りもひどくてまずかった。ので部屋に 戻って、日本から持ってきたコーヒー飲み直し。ぬぬぬ。

 

おそろしく何も起こっていない海外旅行ですが…つづく!!