日記

2021-06-18

ほぼ毎年イベント用に制作しているZINE、今回はやめにした。昨年から実は「そろそろやめようかな」と思っていて、まあつまり労多くしてナントヤラだった訳で、いやいや、単に私のスロースターターっぷりが諸悪の根源なんだけど、それにしたってね、もうどうにも、疲れてしまったのかもしれなくてね。

実は今日の朝まで、まだ間に合うからなんとかしようと思ってはいた。のだけど、試作品を見て「これは、どうなんだ」と思ってしまった。深夜に酔った状態で見たらなんとかイケそうか?と思ったけど、朝の日差しの中で見たらちっとも良くなかったのだ。写真の良さと冊子の形状の面白さがお互いを潰し合っているように見えた。第一、私の気持ちが乗ってない。いつもは試作の段階でテンションが上がってきて「うぉー!これオモロいやんけ!多分間に合わないけどやるぞー!」となるわけだが、今回はそうならなかった。テンション、一個も上がらなかった。

やる/やめる の選択肢があるとして、それぞれを選択するテストをした。

「やる」と決めてみる→テンション低いまま。暗い気持ち。空気よどむ。

「やめる」と決めてみる→ホッとする。豊かな気持ち。爽やかな風。

こりゃ「やめる」だな、と。

やりたくないことから逃げるとか、できないから諦める、というのではない。そういう時は空気がよどむ。でも、「やめる」を選んだ時、風が通った。清々しさがあった。こちらが正解という気がした。

注意深く耳をすませば、自分の気持ちが勝手に語りだすのを聞くことができる。

何かを作るとき、急いだり焦ったり付け焼刃で作らない方がいいと思う。私はとにかく腰が重いので、締め切りがあるこのイベントはありがたくもあった。たくさんお世話にもなった。きっかけと場所を与えてもらったし、狭い世界ではあるがそこそこ買っていただいたりもした。もう、卒業でいいかな、と思う。この田舎町の実家の部屋で、苦手なイラレに苦戦して、手に入る紙と材料だけで、気まぐれに色が転ぶ家庭用カラーレーザープリンターで、刷って折って閉じて切って袋に詰めて、汗をかきながらたくさん作ってきたのだ。

苦しかったけど楽しさもあった。でももう、いいよ。がんばった。

それでもなお作りたいと思える本が出てきたら、今度はじっくりよく考えて、時間をかけて、できないことは人に頼んで作ろうと思う。それを売り込んで取り扱ってもらえばいいじゃん。ライトなZINEをサーっと勢いで作った時は、冊数限定にして、個人で販売していこう。

そういう心境。

これを言葉にするの、多分ちょっと怖かったんだよね。全然関係ない日記書こうと思ってパソコンの前に座ったのに結局ZINEのこと書いちゃった。書いて、なんかすっきりした。

選択に困ったら、いい匂いのするほう、いい風が吹いていて息がしやすい方を選ぶのがいいよ、ね。