星のヌーヨーク中欧へ行く(4)ドナウ川は青くない、そして私はViViモデル

2018-07-12

私は本当に中欧へ行ったのだろうか…?

と、ほぼ記憶を喪失しかけた状態ではありますが、中欧旅行記、張り切って書いていきたいと思いますよー。

 

バスの外は雨。

雨の日でもカラフルな小物を持ってルンルンできたらいいよね。

パンノンハルマ修道院を見学。
 


小高い丘の上にあって眺めは最高!
(のはずでしたが、濃い霧でほとんど下界を見下ろすことができず…)
ここは男子だけの修道院で、敷地内にはハンガリーの秀才たちがが集まる全寮制のギムナジウムがあります。と聞くと、胸をときめかせる女子が少なからずいるのではないでしょうか。


美しいバロック様式の礼拝堂。


現役の図書館。もちろん新しめの本は別の場所にちゃんとあるそうです。

 聖イシュトヴァーン


のシューズ。


天井付近の本の並びがけっこう乱れていて、「手が届かない場所は雑になりますよね」と妙な親近感をおぼえたり。

本当に申し訳ないのですが、現地ガイドの話を全く覚えておりません!というか、写真を撮るのに熱中してガイドのそばを離れることが多いので、どこ行ってもほとんど解説聞けてません。

まあ私のブログに知識や教養を期待している人はいないとは思いますので詳細が気になる方は各自お調べになってくださいませ。あ、ここね、日本語対応の音声ガイドもあって、それが結構いいらしいので、気になる方はむしろ現地に飛んじゃってくださ〜い。

どうもすいやせん!

ラベンダーの石鹸などが売られた小さなショップ、ギャラリースペースも併設されていました。

父が「おい、なんだか面白いものがあるぞ」と手招きするので行ってみると、この作品がありました。

私がコラージュ作品を作っていることを認識しているよアピールなのでしょうか、終始へらへらしながら「ははは、面白ぇな」とか言っていて逆に気まずかったです。

これはハンガリーのアーティストMarcell Esterházy氏の作品。コラージュだけでなく色々な作品を作られているようです。


こちらは写真家SZÁSZ Lillaさんの作品。
きっと意味があるんだろうけど解説がなくて(あっても読めない)よくわからず。


Imre Mariannさんの作品。糸を使った作品が多いようですね。

それぞれのサイトを見てみると、ハンガリーでは有名な中堅どころのアーティストという感じでしょうか。硬派でしっかり活動されている印象で、ほかの作品も興味深いです。関心のある方はぜひリンク先へ飛んでみてください。

お昼です。
雨が降っていたので後でいいやと思ったら外観を撮りそびれてしまいました。


シャバシャバなグヤーシュ。


中に細いパスタが入っているとのことでしたが、これ、そうめんじゃん!
食べてみてもまるでそうめん。「そうめんだ!そうめんだ!」とみんなで笑いながら食べました。味はおいしかったです。


甘酢のきゅうりと玉ねぎ、トマト。これはそのものの味。


パプリカパウダーで鶏肉をじっくり煮込んだパプリカチキンにライス?と思いきや得体の知れないものが添えられています。


ほろほろに柔らかい鶏肉と、得体の知れないもの。

これはハンガリーで「ガルシュカ」「ノケドリ」と呼ばれる手作りパスタです。小さな穴がたくさん開いた器具にねばねばとろとろのパスタ生地を押し当て、ポトポトと湯に落として茹でる。
ニョッキとかすいとんとかをイメージしてみたんですけど、どうも違う。食べ慣れないのと、脳が一瞬「米だ!!」と認識して喜んでしまったせいか、いまいち乗れない味でした。(半分ほど残してしまった)(私はふだん出された食べ物を残さない方なのですが、ハンガリー料理は量が多いようで毎回何かしら残してしまいました)

 

「デザートはパンケーキだそうですよ〜♡」と添乗員が言っていたので、同じテーブルの母娘さんも楽しみにしていたようでしたが運ばれてきたのはこれでした。

「思てたんとちゃう!」と言いたげにみるみる顔が曇っていく母娘さん。

日本の、あるいはハワイのふわふわコテコテパンケーキを想像してしまったらそりゃそうなりますよね。バブル時代と江戸時代ぐらい違いますよね。中に酸味の強いアプリコットソース?が入っているクレープという感じで、さっぱり食べられて私はおいしいと思いました。

結局そうめん(違うけど)入りのグヤーシュが一番おいしかったね、という感想で一致。


窓から見えたかわいい家。(の柵)


ほんとうにどの家も窓辺に花をかわいく飾ってる。


家の感じもかわいいなあ。


と、そこへ猫さま登場。


文化の違いは多々あれど、どこへ行っても猫は猫なのであります。(かわいい)

 

いったんホテルに戻る途中、ドライブインでトイレ休憩がありました。
広めのコンビニって感じ。

言うの忘れてたんですけど、ハンガリーはEU加盟国ですが通貨単位はユーロではなく独自の「フォリント」。つまりここでしか使えないんですね。初日に3000円分ほど両替したのですがまあほとんど使っておらず、円に戻しても割に合わないということで使い切り作戦。

何か買うべきものはないかなーと思ったんですけどうーん

あまりそそられる雑誌もなく…


飲料は驚きの充実ぶりでした。アルコールも含め写真に写っている数の3倍ぐらいあったかも。コンビニとしては多すぎる印象。やっぱり水が多いですね、ガス入りガスなしフレーバーつき各種。

結局なにも買わず。


ホテル薔薇(違う)


いったんホテルに戻り、バスでドナウ川クルーズへ向かいます。


水着の巨大広告が本当に多かったですね。


外で寝てる人もけっこう多かった。

 

バスに同乗した現地ガイド(日本人のおばちゃん)の声がつぶれまくってて風邪か何かかなと思っていたら「若い頃は美声だともてはやされたんですけどねぇ、職業病でしょうか、こんな声になってしまいました」とのこと。

(このおばちゃんの真似、できます。我ながらとても似ています。いつでも披露できますので聞きたい人は声をかけてください)

で、同乗していたツアー参加者の男性から「ガイドさん、桃井かおりに似てますね!」という声が飛び、「えっ、本当ですか、うれし…」とガイドが言いかけたら男性が「あっ顔は違いますけど、声と喋り方がね!」と正直に言ってしまったもんだからガイドのおばちゃん「あら…顔じゃないんですね、顔も似ててほしかったですね」とシュンとしてしまいました。

 

別の日の現地ガイドも同じことを言っていましたが「ヨハン・シュトラウスの曲にもあるように、美しく青きドナウなんて申しますよね、わたくしもこちらに来て30年ほど経ちますけれども、一度も、いっっちども(強調)ドナウが青いなんて思ったことはありませんでしたねぇ、ええ」だそうです。

「ブダペストって言うのは間違っています、正しくはブダ・ペシュト!ブダ!ペシュト!です!」と言うのと同じように、「美しく青きドナウはまったく青くない!」と日本人観光客に冗談めかして説明するのが現地ガイドの間でテッパンになっているのだなあということがよくわかりました。
(ハンガリー旅行あるあるだと思う)

はい、船乗りました。

ディナークルーズっていうから淡い期待をしてしまいましたが、なんのことはないビュッフェでした。しかも大したことないやつ。
それにしても私のこのセンス(のなさ)には我ながら呆れますね。土井先生に0点!って叱られそうです。

80歳の上品なおばあさまとテーブルが一緒になったのですが、「食べるものがない…」と困っているご様子。あんまりパッとしないものばっかりですよねえ、と同意しかけたのですが、話を聞いてみるとどうもそれだけではなさそう。好き嫌いなどをうかがってみると、ほとんど嫌いなものばかりだと言うのです。「これもダメ、あれも食べられない、好きじゃない、いらない」という感じ。びっくりしたのが「麺類全般ダメ」ということ。ラーメンもうどんも蕎麦もそうめんも冷麦もパスタも嫌い。麺類大好きな私が「えー!なんでですかあ?」と無邪気に聞くと「なんていうんだろ…ほら、長いでしょう、すすらなきゃいけないし、ああ麺類だなあと思うと全然食べたくない…」というわかったようで全くわからない理由でした。アレルギーとか味うんぬんってわけではないんですね。

おばあさま、得体の知れないもの(海外だから当然そういうものも多いわけですが)には絶対に手をつけません。「これ…なあに…?」と周りの様子をうかがい、私たちが先に食べて見せて「これこれこういうものです、おいしいですよ」とすすめても怪訝そうな顔を崩さず首を横に振るだけ。知らないものを口に入れたくないんだろうな。結局おばあさまのお皿に盛られたのはパンや生野菜、じゃがいも、フルーツぐらいでした。

これほど徹底した食わず嫌いも珍しいと思い、逆に興味がわきました。食に対して好奇心旺盛でなんでも食べてみる私とはまるで正反対。

見ていて感じたのは、材料が何なのか見てすぐわかるもの、味付けがシンプルなものだったら大丈夫そう。見たことのない素材や凝った複雑な料理はとにかく彼女にとっては得体が知れなくて恐怖を感じるのかもしれません。

おばあさまはきっと保守的で、新しいもの・わからないことに消極的なんだと思います。決まった人間関係と馴染みの習慣・規則を持ち、そこからはみ出さずに淡々と積み重ねることで生きている人。「はい、私はこれで十分です、これ以上は変化しません」という表明でもある。異文化や新しさは “完全に守られた自分だけの清潔で平穏な世界” を脅かす脅威である、と。すみません、勝手な解釈だし、年とともに消極的になってしまう気持ちはよくわかります。このおばあさまも、今までさんざん災難や不安に立ち向かってご苦労されてきた方であることもわかります。80年間、何事もなく生きてこられる人なんていませんからね。

でもちょっとだけ新しい味も味わってみてほしいな、って思っちゃったんですよね。生意気だけど。


夕日を浴びる国会議事堂。
こういうのってさあ、絵葉書でいいじゃんって思うじゃないですか。
でも実際に目にすると撮らずにいられないんですよね、私の負けです。

 

参加者の多くはご高齢で、会話が保守的すぎるか仕事の話か文句ばかりなので飽きてしまい、一人デッキに出てみました。デッキに出ると、同じような考えの人たち(踊る阿呆のみなさん)でそれなりに賑わっていました。踊らにゃ損だよ。

まばゆいマリオットホテル


ウエス・アンダーソンみがあります。

ん〜〜風が気持ちいい〜。
背中が大胆に開いたデザインの花柄ロングワンピースを風になびかせながら髪をかきあげ、ゆったりとした川の流れと夕闇せまる美しい景色に目を細める…今週の旅サラダガールズはわたくし身長172センチ体重48キロのViViトップモデル、ぬ…

ピーーッ! 妄想タイム終わり!

 

やっぱり私は団体行動が苦手だなあ。保守的な人たちの中でルールに従って動くのが苦手だなあ。ということをつくづく感じさせられる旅だなあ。いや、私も今までじゅうぶんそうやって生きてしまった反省はあるのです。度胸がないから。でも、もうそういうんじゃないんだな、そういう生き方がしたいわけじゃないんだな、ということがわかってスッキリしました。


王宮。「わ〜綺麗♡」とか普通に言ってしまう自分にウケました。

 

夢見心地でホテルの部屋に戻ると天井のエアコン送風口の辺りから水がポタポタ垂れていました。

絨毯に落ちるたびに「ボタッ、ボタッ」と音がするため、こんなの一晩中聞かされたらたまったもんじゃない。すぐにホテルの人に来てもらう。木製のグラグラする脚立を抱えた作業員二人がああでもないこうでもないと調べていったけれど埒があかず、部屋を変えてもらうことに。

やっぱりどのホテルでもいい部屋は確保しているのでしょう、大きくて洒落たソファーとバルコニーのある、明らかにグレードの違う部屋へと変更。

でもお風呂のお湯がなかなかたまらないっていう、ね。海外のホテルは良さそうにみえるところでも色々と問題があるのだなあと勉強になりました。

 

長々とご覧いただきありがとうございました。
次回はハンガリーを離れ、オーストリアはウイーンへ向かいますよ!
そこで80歳のおばあさまに驚くべき展開が! どうぞお楽しみに〜。