ぼくの好きな先生

2021-11-16

昔お世話になった担当医の顔が見たくなって名前で検索してみた。今は老人施設の診療所にいるようだ。施設のブログの中に診察中の写真を見つけた。相変わらず優しい笑顔で患者と向き合っていた。私はこの人に育て直してもらったようなものだなあと思う。

毎回、赤ん坊のように泣いた。涙は枯れることがないことを知った。それでも、一番つらいこと、決定的なことは先生にも話せなかった。消えて忘れてしまわないように、言わなかったのかもしれない。

ダウンロードした先生の写真はお守りのようにデスクトップ上に置かれている。開くといつも優しく笑っている。それを見て私は泣いてしまうのだ。