断捨れ

2020-10-31

こんなこと、コロナの自粛期間中にやればよかったんだと思うよ。断捨離。洋服はうまくいったんです。でも本がさ、本が片付かないの全然。断捨れない。片付けが進まない人あるあるの、途中で本読みこんじゃうっていうやつも頻繁に起こってまー、何日やってるんでしょう。

あらかた仕分けは済んだはずだが、そこから進まない。普通は雑誌なんかしばらくしたら全部捨てちゃっていいのかもしれないけど、私は普通ではないのでなかなか捨てられない。時間の経過とともに情報価値がなくなるものぐらいだよ、捨てられるのは。

しかも謎なのは、本の断捨離中にもかかわらず、また古本を購入したことなのだ。この人どうなってるの?

昔、旺文社から出ていた『ホテルガイド』という文庫判のガイドブック…95年発行(初出は91年刊のようだ)…北海道版…なぜ…今…これを…買うのか……

バンドの追っかけをしていた(といっても大したものではない)若かりし頃、時刻表を見て乗り継ぎを考えたり、ホテルガイドを手に泊まる宿を検討するのが楽しかった。まだ十代だったと思うが、一人で札幌へ行った時、事前にガイドブックでチェックしてあった駅からそう遠くない大通り沿いの古い喫茶店へおそるおそる入ってみたことがあった。記憶があいまいでぼんやりしているのだが、間口はそう広くなく、しかし奥はそこそこ広いようにも見え、全体的に薄暗いのだが通りからの日も差し込み、重厚な古さを感じさせつつ活気もあったような気がする。午前中か昼前後か、サラリーマン風の男性客が多く、新鮮な騒々しさがあって、私はそこで何を飲み食いしたのか全く覚えてはいないが、雰囲気に圧倒され小さくなりながらもその空間に身を浸すことに喜びを感じていた。カルチャーショックといってもいいと思う。大人になるかならないかの不安定な時期に、一人で遠くへ出かけ、古い喫茶店に腰を下ろしている。この時のことが、私が古い喫茶店好きになるきっかけだったのではないか、という思いがずっとあった。場所もはっきりしないし、その店があったと思しき通りもすっかりきれいになってしまっていて、名前すら覚えていない店のことを何かの折に思い出しては当時のガイドブックを探すことを地味にやっていたのだ。

「ホテルガイド」という本が、淡々と同じフォーマットでホテルの外観写真と料金、室内設備を載せているガイドブックだということはわかっていたが、その途中途中に観光名所や地域の飲食店なども織り込まれていなかったか?そこにあの喫茶店が載っていたのではないか?という思いが消えず、確かめてみなくてはと思っていた。しかし90年代のホテルガイドなど今や情報としては何の価値もないわけで、中古市場に出回るほどのものでもない。ブックオフへ行った際などに探してみても見かけることはなかった。それが、先日ふとホテルガイドのことを思い出し、ダメ元で検索してみたらamazonに何冊か出品されていたのである。誰かの不用品が役に立つこともある。

というわけで断捨離中にもかかわらず注文してしまいました。

届いて、ドキドキしながら開いてみると、無表情なほど果てしなく淡々とホテル情報が載っていて、申し訳程度に味気ない地図も挿入されていました。それだけです。

それだけでした。

観光名所、近郊情報一切なし。ホテル自体も、今はなき味のあるホテルが載っているというわけでもなく、今も残っていそうな大型有名ホテルがほとんど。写真だって2cm四方の小さな外観写真が一枚ずつあるだけ。こんなんだったかなあ。。記憶っておそろしい。

(買ってすぐですが、もはや何のうま味もないので手放そうと思います)

というわけで振り出しに戻りました。当時見たのは、ホテルガイドとは別の情報誌かガイドブックだったんだろうなあ。確かにもっとガチャっとした、写真がたくさん載った本だったような気もする。

札幌の古い喫茶店が載っている当時のガイドブックや情報誌をお持ちで、譲ってもいいよという方、着払いでお送りいただければ幸いです。メールアドレスは右側👉のブロックのどこかに記載しております。よろしくお願いいたします。

って断捨離すすまねぇ〜〜!!