とにかく明るいラーメン

2018-10-24

私が元気のない時でも他人が楽しそうにしているのがいい。私になどかまわず、それぞれがそれぞれに楽しく笑っているのがいい。私の力のまったく及ばないところで人々はしっかりと健全に、あるいは不健全に生きていけるのだということが嬉しい。私がいなくなった座席には後から来た誰かが勝手に座るのだから心配しなくていい。私一人いなくても世の中は昨日と変わらず回っていくのだということが私を安堵させる。

この世界に私がいなくなってもラーメンは作られ続けるし、あなたの食べるラーメンは変わらずおいしいはずなので安心してください。

 

のびないうちにずるずるっと麺をすする。ふたすすり後、とろとろの焼き海苔と一緒にすする。(これがうまい)半熟煮卵は箸でツンツンしてスープにちょいと沈めておく。中盤に半分、後半にのこりを半分。楽しみは、分けてちまちま味わう。だがチャーシューはけっこう大胆に食らう。むぐむぐ。味のピークは最後のふた口前に設定する。ああ、うまい!という強烈な感想のまま終わらせたりしない。静かに「うんうん」という終わり方が私流。

なにかを食べる時、なんのストーリーも描かない人を私は軽蔑する。やみくもに手をつけてだらしなく残されたお弁当はかわいそう。食べ方には性格が表れると思う。私は何が出てきても毛嫌いせずとりあえず食べてみる。できるだけ「おいしい温度」が損なわれないうちに食べる。まずいものはまずいものとして味わう。鮮度の落ちているものは残さざるを得ないが、出されたものや頼んだものは基本残さない。自分なりに起承転結をつくり、バランスを考えながら食べている。

だけど問題もある。私はなにしろ食べるのが早い。これからはゆっくりと時間をかけて食べることを意識しなければならない…のだが、ことラーメンに関しては急いで食べることが許されている気がしてうれしく、甘えてしまう。

ごちそうさま、またよろしくね。

 

ちばき屋
エルムの街 2F フードコート
10:00〜22:00(L.O. 21:30)