楽団ひとりぼっち

2018-03-02


ほんとは寂しいくせに、どうして時々「一人になりたい」なんて思ってしまうんだろうね。

平日17時すぎ、某所の巨大駐車場にはぽつりぽつりと車が集まってきては停まります。それぞれがお互いを意識する必要のない一定の距離を保って。誰も降りようとはしません。まっすぐ家に帰りたくない人たちは車の中でしばし一人の時間に浸るのです。私がそうであるように、きっと彼らもそうなのです。みんなせいぜいスマホをいじるくらいで何をしているというわけでもなさそうです。少なくともリコーダーを吹いているのは「帰りたくない族」の中で私一人だけでしょう。

好きな曲に合わせて、キーもテンポも変えずに淡々とリコーダーを吹く。文字通りこれが私の「息抜き」なんだなって思います。最近の練習曲は、先日このブログでも紹介したテンテンコさんの「なんとなくあぶない」(とてもむずかしい)、伊藤ゴローさんの「November」これは以前からずっと好きで吹いていて、今はいかにきれいな音色で吹けるかが課題です。あとはニコの「Chelsea Girls」。昔、母がフルート教室に通うと言い出してビギナー用とはいえ十数万円するフルートを買ったもののうまくいかず放置していたものをもらい受け、酸欠になるほどよく練習した思い出の曲なのです。原曲キーを変えなくてもソプラノリコーダーの音域でカバーできるのでちょうどいい。明るい曲ではないけれど、いい感じに酔えます。歌い上げるような間奏部が奇跡的に決まると極上のカタルシスが得られたりして。

一人になりたいから車にこもってリコーダーを吹いていたはずなのに「合奏したいな…」という気持ちが芽生えてきてしまって困ります。小学生時代「ピアノを習っているから」という理由だけで、音楽発表会のために寄せ集めで結成される音楽部に駆り出されてキーボードを担当していたことがありました。素直な子供じゃなかった私は“仕方なくやらされています”という微動だにしない仏頂面スタイルで演奏。その様子が後輩たちには「クール!」に見えたようでしたが、私は内心口笛を吹きながらノリノリで「音楽チョー楽しい〜!」という気持ちでやっていました。

演奏した曲は、スターウォーズのテーマ、喜多郎のシルクロード、宇宙戦艦ヤマトのテーマ、ドヴォルザークの新世界より、瀬戸内少年野球団のテーマ(イン・ザ・ムード)など。キーボードの合間をぬってビブラフォンとかマリンバとかパーカッションとかなんでもやった気がします。

 

弾いていたキーボードはおそらくこれ。

その当時の最新機種で高かったのよと先生が言っていたこと、メーカーはローランドで間違いないこと、ジュピターという名前に見覚えがあること、オレンジ色がポイントカラーだったこと、かなり大きくて重かったこと、これらの記憶から考えて間違いないと思う。
余談ですが、キャスター付きのアンプに乗っかってシャーっと遊んでたら思いっきり倒しちゃって修理屋さん呼んで直してもらったことがありましたねぇ、何度も。

合奏の醍醐味はやっぱりそれぞれのパートで練習したものを初めて合わせる瞬間ですよね。私は今それがとてもしたい!

 

何年か前に十和田市現代美術館前の広場に「あまちゃん」でノリノリの大友良英さんが来てオーケストラ(大友さんの指揮に合わせて好きな鳴り物をジャンジャガ鳴らす)したり「あまちゃん」のテーマをみんなで合奏したんですよ、動画ありました、これです。

楽しかったなあ〜。よく見るとノリノリでマラカスを振る奈良美智さんも見えますね笑

 

翌年にも大友さんや奈良さんが来て盆踊りやったんですよ。

私は十和田市民じゃないのに津軽地区を代表して(?)市民オーケストラに参加しちゃいました。
事前に楽譜をもらって自主練し、ピアニカ持って当日一人で十和田に乗り込んだのです。
ちょっと寂しかったけど始まってしまえばものすごく楽しかったです。やっぱり合奏はいいな。

そんなに規模大きくなくていいから、また合奏したいよ〜、誰かやりませんか、下手でいいです私も下手なので! むずかしくない曲をガチャガチャやる感じの合奏がいいです。メンバー足りてないとこありませんか〜、楽団ひとりぼっち、行きますよ〜、鍵盤のついたものとリコーダーできます、打楽器もやってみたいし近所迷惑な声量で歌も歌えますよ、ぜひぜひ〜よろしくお願いします〜〜。